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2014年5月 7日 (水)

『相棒』を初めて見た

『相棒―劇場版Ⅲ』を映画館で見た。このシリーズを劇場で見るのは初めて。というより、テレビのシリーズもこれまでの劇場版も実は全く見ていないのだから、『相棒』初体験だ。

昔はこういうシリーズは途中から見てもわからないだろうと敬遠していたが、なぜか今の気分は「当たっているものは何でも見る」。4月26日公開だが、その土日は『テルマエ・ロマエⅡ』と『アメイジング・スパイダーマン2』も初日で、それ以上に『アナ』と『コナン』が好調で、興収は5位。

客層は『テルマエ』や『スパイダーマン』に比べると、年齢層が高い。シネコンで見た感じだと、40歳以上が大半を占めていた。そのあたりが全世代にまんべんなく強い『テルマエ』の方が、人を集めるのだろう。

映画としては、『テルマエ』よりずっといい。というより『テルマエ』は、やはり映画になっていない。恥ずかしながら後で知ったのだが、『相棒』3本の監督は和泉聖治で、監督としての長いキャリアを持っている人だ。テレビ版も彼が中心だという。

『相棒Ⅲ』は、何より設定がおもしろかった。自衛隊に絶望して辞めた数名が、離島に集まって国防の名のもとに民兵として訓練を続けている。そこでの死体発見の知らせに水谷豊演じる杉下刑事が若い相棒(成宮寛貴)を連れて向かう。ところがその島は実は防衛省ともつながっていて秘密兵器が隠されている、というもの。

まずすぐに気付いたのが、水谷豊の演技は「刑事コロンボ」だということ。コロンボと違って高級スーツを着ているが、わかっているのかわからないのか曖昧な態度でいつも同じセリフを繰り返し、笑いを誘う。脇役たちも出てくるだけで観客がクスリと笑う感じがあって、シリーズものならではの、ワンパターンの繰り返しを楽しむのだろう。

民兵のリーダーを務める伊原剛志が存在感を見せるが、水谷、成宮、伊原以外の人物造形が浅い。出てきて同じセリフを話すだけのカリカチュアのような演技が多い。釈由美子なんかもっと活躍して欲しかった。シリーズものの限界かもしれないが、それ以上に監督の力量かも。

終盤に見せる伊原の国防論が、今の安倍政権の考え方に近いところもおもしろみの一つ。もちろん水谷はそれに反論するが。今の日本のアクチュアルな問題を、こっそり娯楽作に混じり込ませる感覚は悪くない。

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