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2014年5月 4日 (日)

そしてイタリア映画祭は続く:その(3)

今度の映画祭で一番期待していたのが、アンドレア・セグレ監督の『初雪』。最初の長編『ある海辺の詩人』が映画最後に劇場公開されたが、港町を舞台にした静かで魅力溢れる作品だった。今回は山の中が舞台という。

前作は言葉もろくろくできない中国の移民女性(チャオ・タオ)が主人公だったが、今回はリビアからの難民の男ダニ。寡黙で悩みが多い点は同じだが、ダニにはそばに子供がいるし、言葉もできて安定感がある。

ダニが出会うのは、父親のいない少年のミケーレ。彼の母や祖父も交えて、静かなドラマが展開する。ただ前作に比べると主人公が地味だし、日本人にとってアフリカ移民はなじみがない。撮影もロング・ショットや手持ちカメラを多用しているので、物語に入るのに時間がかかる。

後半、ダニの妻やミケーレの父親の話がだんだんわかってきて、黒人のおじさんと少年が近づいてゆくあたりでいい感じになってくる。「初雪」というから終わりの雪のシーンに期待したが、これも淡々と進む。質の高い映画だが、前作のような劇場公開は難しいかもしれない。

次に見たのがリッカルド・ミラーニ監督の『ようこそ、大統領』。4連休の最初の日の14時40分の回のせいか、満席だった。山奥の図書館員のオヤジがとんだことから大統領に選ばれてというコメディーだが、いつも笑わせようというムードの割には演出の手が込んでいないために、空回り気味の展開。

それからフィルムセンターに出かけて、戦後のコニカラーのアニメの短編を何本か見た。どれもその素朴な表現が心地よかったが、なかでも大藤信郎のセロファンや影絵を使った『くじら』(1953)の日本的ファンタジーにはうっとりした。これはデジタル復元作品なので、音も色もクリア。これは「日本の初期カラー映画」という特集だが、イタリア映画祭よりこちらを見ようという気になった。

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