平等は20世紀のみの現象か
1週間ほど前の「朝日新聞」オピニオン面の、トマ・ピケッティというフランスの経済学者への1ページインタビューがおもしろかった。1971年生まれのパリ経済学校教授だが、昨年出版した『21世紀の資本論』(邦訳未刊行)が話題らしい。
一言で言うと、この300年間において貧富の差が少なかったのは1914年から70年代だけで、現在再び不平等が拡大しつつあるという内容のようだ。
「マルクスが19世紀に予言したような資本家と労働者の対立が起きず、資本主義のもとで不公平が縮小するかに見えたのは、2つの世界大戦と世界恐慌がもたらした偶然にすぎない」
つまり、我々が生きてきた平等を原則とした戦後の大衆社会は、世界史の例外的時期だったということだ。「私たちは少しの間だけ「資本家なき資本主義」という夢を見ることができたのです」
そして今再び、経済的不平等の拡大が進むという。具体的には所得の格差が烈しくなり、それに伴って金融資産や不動産などの資産の蓄積が一部で進んでいる。「1987年から2013年の期間、最上級の資産家たちは平均の3倍以上のペースで資産を増やしています」
つまりは、お金と土地を持つ領主さまに、大半の人間が仕える封建主義に近い社会が再び訪れそうだ。ピケッティ氏はそれを防ぐのに最も重要なのは、資産への累進課税だという。
「すべては、どのような水準の収入や資産にどのような税率をかけるかにかかっています。確かに年収20万ドル(2040万円)の人に80%の最高税率がかけられたら、やる気を失ってしまうでしょう。でも、年収100万ドルや500万ドルであれば大丈夫です。資産への課税も同じです。巨額の資産があり、そこから年6~7%の収益を得ている人に1~2%の税金をかけることは大きな問題でないでしょう」
解決策は意外に平凡だが、それしかないのだろう。それにしても、富裕層や企業への優遇税制で経済を立て直そうとしているアベノミクスは、この逆を行っているように見える。景気が良くなっても、格差がさらに広がるのではないか。とにかく、もう1度封建時代に戻るのは御免だ。
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