沖縄の印象:その(2)
沖縄で最初に行ったのは、国際通りだった。そこで修学旅行の中学生や高校生がグループで歩くのを見て、うんざりした。中国人の観光客も多い。観光客向けの飲食店と土産物店ばかりで、通り全体が外向けのエキゾチックな雰囲気を意識的に作り出していた。
その中では比較的品の良さそうな飲食店に入って、ゴーヤチャンプルなどを食べた。私の勤務する大学前にある沖縄料理店に比べると、ずいぶん繊細な味でおいしかった。食べ終えてレジに並ぶと、芸能人の色紙があちこちに張ってあった。これは後にほかの飲食店でも見た。
とにかく暑いのでタクシーを飛ばしてビーチに行ってみた。30度近いので泳いでいる人も多い。私も交じって泳いでみた。確かに海がきれいで、沖縄に来た感じはした。
翌朝早く、首里城に行った。守礼門の前の建物でトイレに行くと、その裏は巨大な駐車場だった。5分おきに観光バスが止まり、修学旅行の高校生や中国人観光客がどんどん出てくる。前も後ろも団体に押されるような状態で守礼門をくぐった。
チケットを買って建物の中に入るが、どこが何かわからないままに、団体客に押されてトコロテン状態で進む。あちこちにかつての王朝の衣装を着た男性が立っていて、案内をしてくれるが、気の毒に思えた。建物はほとんどが戦争で焼けて建て直されたものなので、いいも悪いもない。いくつかの絵画や彫刻が興味深かったくらい。
逃げるように首里城を出て、静かな周辺を歩いた。玉陵(たまうどぅん)は代々の王家の墓を収めた場所で、中には入れないが、外から石の建物を見るだけで独特の墓の雰囲気が伝わってきた。
少し離れたところにある識名園もよかった。こちらは王家の別荘だが、大きな池があって回遊式庭園となっている。建物は例によって戦災後建て直されたものだが、ジャングルのような庭を巡るのは心地よかった。
首里城の一帯は、城のまわりが万里の長城のような壁に取り囲まれている。その外のなだらかな斜面に民家が立ち並ぶ。石畳があって、木々がまさにジャングルのようにあちこちにうねっていた。中心となる首里城は観光客だらけだったが、そのまわりを歩くと亜熱帯の沖縄の風景が広がっていた。
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