沖縄の印象:その(1)
初めて沖縄に行った。もともと、観光旅行はしない。これまでほぼ日本全国に仕事関係で行っていたが、沖縄は機会がなかった。今回行ったのは学会があったからだが、わずか2日半の旅でも強烈な印象が残った。
沖縄好きは友人も含めて多いので、わずかの滞在で偉そうなことは言えない。以下はあくまで素朴な印象。
実は一番心に残っているのは、海でも食べ物でもなく、沖縄県立博物館・美術館だった。2007年に新しくできた施設だが、とりわけ博物館の1Fの常設展示がいい。沖縄の歴史や文化については知っているつもりでも、あのように実物で見てゆくと、よくわかる。
まずジオラマや標本で、この島がいかに本土と違う植生を持っているか。植物も動物も鳥も見たことがないものばかりだ。縄文や弥生時代には人が住み、貝塚の村から各地で豪族が現れ、グスクと呼ばれる城を築いてゆく。
そして15世紀の尚氏による統一と琉球王国の成立。中国や日本のほか、台湾、東南アジアとも交易をして、王国が反映する。位階によって衣装が細かく定められていたが、日本よりも明らかに中国風だ。
17世紀には江戸幕府の命により薩摩藩が攻めてきて、間接支配が始まる。明や清との貿易の仲介をすることに。そして明治になると1879年に廃藩置県で「琉球処分」が行われる。何というひどい言葉だろう。日本の支配が嫌で中国に逃げた人も多いという。それから1894年の日清戦争で沖縄は完全に日本に属するが、その時に台湾が割譲されたことを考えると、微妙だ。
もちろん博物館では尖閣諸島については触れていないけれど、沖縄も含めて日本の領土と言うべきなのか。そう思うほど、展示物は明らかに日本とも中国とも違う島の独自の文化を見せていた。
第二次世界大戦の沖縄戦や、1972年の「沖縄返還」についても少し触れられているが、米軍基地については何の展示もない。当たり前か。
ある時、看視の年配の女性達が彫りが深く眉毛の濃い、沖縄独特の顔つきをしているのに気がついた。そうすると展示物と同時に彼女たちが気になってきた。彼女たちは、展示されている沖縄の文化に連なっていた。
偶然着いた日に博物館に行ったので、それから何を見てもその展示の印象がついて回った。まさに学習効果か。
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