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2014年6月 7日 (土)

フランスの不安

最近のフランス人からのフェイスブックやメールで多いのは、「フランスはこのまま行くとどうなるのか」という不安の表明だ。5月25日の欧州議会選挙の結果、フランスでは何と国民戦線という極右政党が一番の票を集めた。

国民戦線は前回の6.3%から25%へと大躍進。その分、右派中道の国民運動連合(シラクやサルコジの支持母体)は27.8%から21%へと大幅に減らし、オランド大統領の社会党は16.5%から14%へと後退した。

国民戦線というのは、かつてはジャン=マリー・ルペンという狂信的な右翼爺さんが党首だったが、娘のマリーヌになってからソフト路線が定着した。ブロンドの美人で、頼りになるお母さんという感じ。それでもイスラム反対、移民は出て行け、欧州離脱、フランス人のためのフランスを、という主張は変わらない。

彼女は自らをフランスを救うジャンヌ・ダルクに見立て、大真面目に大統領になろうとしている。2012年の大統領選でオランド、サルコジに次ぐ3位で18%だったから、2017年の大統領選では1位にならないとも限らない。とにかく、今度の欧州議会選挙ではまぎれもなく1位だったのだから。

そうしたらフランスは欧州を脱退し、反移民政策に転じるだろう。これは間違いなく世界を悪い方向に導く。共存よりも憎悪の応酬が広がってしまう。

国民戦線を支持するのはパリよりも地方。インテリより労働者で、中年、老年より若者。20代の支持は今回の選挙で30%を越しているという。

日本で安倍政権が支持されているのと同じように、格差社会、ネット社会が、「外人出て行け」というような短絡的な怒りの連鎖を生んでいる。まだ安部首相ならいいが、ルペンの思想は田母神俊雄に近い。

今回の欧州議会選は、ほかの国でも反欧州派が票を伸ばしたようだ。この動きは止められないのだろうが、もしルペンがフランスの大統領になったら、究極的には世界は戦争への道を歩むだろう。これを防ぐために、フランス人はこれから2017年までにどんな手を打つのだろうか。フランスの心配をしている場合ではないのかもしれないが。

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