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2014年6月12日 (木)

新宿で展覧会2つ

映画のことばかり教えたり考えたりして疲れると、全く別のことをしたくなる。私にとっては、美術展を見るのがいい気分展開。というわけで、新宿で展覧会を2つ見た。1つは損保ジャパン東郷青児美術館で6月29日まで開催の「オランダ・ハーグ派」。

オランダ絵画といえば、17世紀のレンブラントやフェルメールが有名だが、その後はどうなったのか。ゴッホやモンドリアンはどこから出てくるか。などと考えていたらこの展覧会があって、副題が「ゴッホの原点」と「近代自然主義絵画の成立」。

展覧会がフランスのバルビゾン派から始まって面喰う。ミレーやコローが並んでいて国内所蔵作品も。すると19世紀末のハーグにメスダッハという画家がいて、彼が所蔵するバルビゾン派の絵がハーグで影響を及ぼしたと書かれていた。

確かに貧しい農民や漁民をある情緒で描く手法は、その後に出てくるハーグ派の絵にもつながっている。もちろんバルビゾン派には船や海岸の絵はないけれど。しかしハーグ派の絵には、バルビゾン派に連なる印象派のような、絵画の冒険はあまり感じられない。

そんことより私はメスダッハという名前に反応した。最初に勤めた政府系団体で、ヨーロッパを数都市出張したことがあった。1990年頃のことだが、ハーグに行った時に見た「パノラマ・メスダッハ」を思い出した。アムステルダムから朝電車に乗って、10時にビデオアート専門ののギャラリーで打ち合わせがあった。そこのお勧めで、昼食までの間に見たのがそのパノラマ。

大きな円の形をした場所の真ん中にある東屋に立つと、近くには実際の砂浜やボートがあり、遠くには海や空まで絵が描かれていて、まるで実際の海岸に立ったような気になる。その眩暈のような感覚が、映画発明直前のさまざまな視覚玩具を思わせる。

「ハーグ派展」の中ほどには、何とそのパノラマの写真まであった。絵は縦が14メートル、幅が120メートルもあり、砂浜の部分を含めた広さが1680平米という。1890年、スヘフェニンゲン海岸(「スケベ人間」ではない!)という海岸にカジノ計画が持ち上がり、美しい砂浜を保存するためにメスダッハはハーグ派の画家たちを集めて作ったらしい。

マウリッツハウス美術館で待ち合わせた日本大使館の文化担当官と退屈な昼食の後、1人でその海岸に行った。ずいぶん寂れた感じのリゾート地に見えたが、今もそうだろうか。パノラマのあった美術館は、現在は改装されて「国立メスダッハ美術館」になっているというが。

長くなったので、続きは後日(たぶん)。


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