『好きっていいなよ。』を見た理由
現在公開中の『好きっていいなよ。』を見た。実を言うと劇場でチケットを買うのに「好きっていいよな」と言ったくらいで、個人的な認知度は低かった。それに私は高校生ドラマは苦手だ。ではなぜ見に行ったのか。
まず、ユナイテッド・シネマのギフト・カード3000円分をゲットしたから。勤務先の互助会の景品で当たった。2年ほど前にもらったQUOカードをなくしてから、こうした金券はすぐ使う癖がついた。
ところがユナイテッド・シネマは、私の近くには豊島園と豊洲しかない。それならかつて住んだ豊洲にノスタルジア気分を味わいに行くしかない。
引っ越してから豊洲に行くのは2度目だが、前にもましてマンションやビルが増えていた。私が住んでいた頃は駅前には大きなビルが1つきりだったが、今や新浦安のような感じ。映画館はららぽーと内にあるが、3階建ての建物には、ユニクロも無印もZARAもCOACHもGODIVAも何でもあった。窓から見える風景は日本離れしていて、ノスタルジアどころではない。
映画に戻ると、これを見たいと思ったのは、監督の日向朝子さんが私が教える大学の出身だから。聞くと学生の時から目立っていたらしい。大学の教師として映画業界の方に会うと出身者はよく話題になるので、自分が教えていなくても見ようかなと思っていたら、ユナイテッド・シネマでやっていた。
劇場内はまさに映画に出てくるような高校生ばかりで、予告編の時もずっと大声で話していた。映画自体は、こなれた脚本と丁寧な撮影でよくできていたと思う。とりわけ都内のロケの場所の選択がうまく、しっとりした風景の中で主人公たちがくっきりと引き立っていた。
しかし、やはり高校生の恋愛ものには全く興味が持てなかった。この種の高校生ものでいつも思うが、エキストラ以外は俳優がみな20歳以上でヘンだ。大学の4年生くらいの顔立ちや髪の男女が、高校の制服を着ているのは、不自然極まりない。
ともあれ、この映画は興収が10億を越えそうだし、脚本も書いた日向監督は今年36歳で、現代の若者の心理(とくに女性)をさらりと巧みに描く力を持っているので、今後かなり行けるのではないか。撮影の月永雄太氏もウチの大学の出身だった。と、ようやく愛校心が生まれてきたかも。
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