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2014年8月 9日 (土)

16歳の原田美枝子

原田美枝子は私より少し上で、何と言っても見事な胸が有名だった。肝炎で長期入院していた高校生の頃、隣のベッドにいた30代の男性が雑誌のグラビアを見せながら「原田美枝子のおっぱいはホルスタインのごたるばい」と言ったのを妙に記憶している。彼女が主演の『大地の子守唄』(76)を見た。

大映倒産後の増村保造の監督作品だが、個人的には1960年代半ば以降の彼の映画は苦手だ。女性の情念を正面から描く世界が妙に極端に表現されたり、いつの間にかお色気路線が混じり込んだりして、どこか引いてしまう。

『大地の子守唄』は、原田美枝子が、13歳で瀬戸内海の売春宿に売られる不幸な娘おりんを演じる。娼婦になりながらも自分の好きなように生きてゆく、頑固で野性的なおりんの姿が原田にピッタリだが、見ていてちょっとつらい。映画の冒頭に「キネマ旬報1位」とか「主演女優賞」とかいくつも出てくるが、全体に単調で私にはとても傑作とは思えなかった。

上半身裸で手を合わせる原田を使った公開時のポスターはよく覚えている。もちろん胸は写っていない。映画を見ながら見事な胸がいつ出てくるかと期待していたが、村の男たちからリンチを受ける時を除くと、きちんと見えるのはラストのほんの一瞬だし、さほど大きくなかった。

この映画で一挙に有名になったというのはわかるくらい、原田の姿は強烈だ。撮影時には16歳だったはずだが、胸はそれから大きくなったのだろうか。

そのほか最近見た増村の映画は、『卍』(64)、『兵隊やくざ』(65)、『爛』(62)。この中では若尾文子と田宮二郎のコンビの『爛』が抜群にいい。仕事と性欲のためにドライに生きる田宮と彼への愛のみで生きる若尾がぶつかりあう。

若尾の姪役の水谷良重は、若尾の入院中に田宮とできてしまい、そこに若尾が乗り込む場面がすごい。「あたしから浅井を奪ったら、生かしちゃおかないわよ」。そして姪を遮二無二結婚させるが、自らの強引さに自分で呆れてしまう若尾がいい。ラストのシュミーズ姿の哀れな感じによく表れている。

あとの2本にも触れたいが、たぶん後日。来週はフィルムセンターは休館なので、しばらく増村はお休み。

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