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2014年8月18日 (月)

5回目の「ヨコトリ」:その(1)

ヨコハマトリエンナーレは今年で5回目になる。いつから横浜をカタカナで書くようになったのか知らないが、2001年に始めた時は横浜トリエンナーレだった。第1回に自分自身が関わったので間違いない。先日、ようやく見に行った。

2001年の時点では、ほかに国内に似たようなイベントはなかった。あえて言えば前年に始まった越後妻里トリエンナーレだが、あれはむしろ地域振興に近い国内向けのものだ。それから10年たつと、あいちトリエンナーレができ、今年は札幌国際芸術祭が始まり、来年は京都国際現代芸術祭があるという。

横浜トリエンナーレは第1回からなぜかヨコトリと呼ばれたが、その時の会場はなんとパシフィコ横浜と赤レンガ倉庫。そのほか草間弥生が橋の下に無数の球体を並べたり、野外展示も多かった。半月型のインターコンチネンタル・ホテルに、椿昇の巨大バッタを張り付けたのだから、話題性も豊富だった。

ところが中心だった国際交流基金が前回から事業仕分けで降りてしまい、横浜美術館が中心となって文化庁の助成金を得て実施することになった。従って今回の会場は、横浜美術館と新港ピアで、第1回に比べるとだいぶスケールダウン。

あいちや札幌も京都も美術館中心なので、その意味ではヨコトリもその1つとなった感じ。かつての日本の総力をかけた感じはない。今年の芸術監督は作家の森村泰昌で、テーマは「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」。

これが思いのほか、おもしろかった。テーマ性がはっきりしているというか、全体に物語性が濃厚というか。実際、展覧会は序章に始まって第1話から第12話に分かれて、それぞれに第1話「沈黙とささやきに耳をかたむける」といったテーマがある。

チラシのどこを見ても第1話が横浜美術館から始まることは書かれておらず、私は新港ピアに最初に行ったが、これは間違いだった。新港ピアは第11話「忘却の海に漂う」で、むしろクライマックスの感じ。最初に土田ヒロミの原爆の写真を見ながら、これは確かに「忘却の海」だなと考えたけれど。

殿敷侃の黒い立体や笠原恵美子のお布施箱の写真、葛西絵里香のびんを使ったインスタレーションも良かったが、奥の大竹伸朗と松澤宥の巨大な立体には驚いた。とりわけ松澤の唯我独尊的な展示はアート馬鹿そのもので痛快だった。

横浜美術館の展示については後日書く。

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コメント

はじめまして。コチラのブログの愛読者です。
そして①横浜在住の ②映画ファンの ③韓国オタク です。
横浜トリエンナーレについては先日宮津大輔さんの「現代アート経済学」(光文社新書)で初めてその詳細(採算のこと等)を知りました。古賀さんも関わっていらっしゃったのですね。横浜みなとみらいには歩いて行ける所に住んでいるので、いつでも行けるという気楽さゆえまだ行っていませんが近日中には足を運ぼうと思っています。
ところで先日、わが家で長くツンドク状態だった1996年の「韓国映画祭」のカタログを久しぶりに目を通しました。当時千石にあった三百人劇場で大がかりに催され、私も20本ほど観た記憶があります。で、その奥付を見ると編集担当の朝日新聞社文化企画局のお三方の中に古賀さんのお名前があることに気づきました。
この映画祭は、長年の韓国映画ファンにとっては画期的なもので、またこの大部のカタログも現在も大きな価値のあるものだと思います。
この件について、さっそく私のブログに記事をアップしました。お目を通していただければ幸いです。 →
http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/44f96d0420ca65b7bce434d4d3aefdc7?st=0

投稿: ヌルボ | 2014年8月19日 (火) 15時17分

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