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2014年8月 5日 (火)

地味な「○○美術館展」2つ

普通、「○○美術館展」というと、海外の有名美術館にマスコミが億単位の借料を払って、大量動員を目指す展覧会が多い。今だと「メトロポリタン美術館展」とか「オルセー美術館展」とか。ところが、中にはずいぶん地味なものもある。

1つは8月24日まで東京国立近代美術館で開催中の「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である」展。何というわかりにくい題名だろうか。副題に「ヤゲオ財団コレクションより」と書かれており、主催にも東近美の次に「ヤゲオ財団」と書かれている。

「ヤゲオ財団」という名前は実は最近知った。1昨年前に東近美で開催された「フランシス・ベーコン展」で後半の大きな作品が台湾のヤゲオ財団からの出品と書かれていた。台湾にもベーコンを所蔵する財団があるのかと思った記憶がある。

それがきっかけかわからないが、その財団の所蔵する現代美術のうちから70余点を並べたのが今回の展覧会。台湾の電子部品メーカーの社長であるピエール・チャン氏が、この四半世紀で集めたものだという。従って私が長年見てきた現代美術にほぼ重なるので、親しみやすかった。

フランシス・ベーコンやアンディ・ウォホール、ロイ・リキテンシュタイン、マーク・ロスコ、ウィレム・デ・クーニング、サイ・トゥオンブリーといった既に亡くなった現代美術の巨匠たちから、マウリツィオ・カテラン、ゲルハルト・リヒター、ディヴィッド・ホックニー、アンゼルム・キーファー、杉本博司、アンドレアス・グルスキーなど活躍中の作家まで、さらに中国の現代作家も数名含まれている。

いかにも現代美術好きが集めた感じの作品が並んでいるが、私にはあまりにも既視感が強すぎて、面白味はなかった。個人コレクションのせいか、作品も小ぶりなものも多いし。何となく自分と同世代の成金が集めたコレクションのように見えてしかたがなかった。

サントリー美術館の「ボヘミアングラス展」は始まったばかりで、9月28日まで。こちらは15世紀から現代までのボヘミアングラスをひたすら見せる。王族や金持ちのために作られたマグやグラス、ゴブレット、瓶、鉢などに施された驚異的に細かい模様を見ていると、何だか気が遠くなる。

貧乏性の私は、高級な工芸品よりも、まだ現代美術の方が身近に感じる。いずれにしてもこの2つの展覧会は、マスコミが介在することなく、立派な所蔵品を持つ日本の美術館の学芸員が信頼関係で借りてきたものだろう。地味であまり観客も多くないが、その分じっくり楽しめる。

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