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2014年8月19日 (火)

『日々ロック』の入江節健在

入江悠監督は「SRサイタマノラッパー」シリーズで有名だが、今度は松竹で撮った新作が11月22日に公開されるというので、試写を見た。田舎のラッパー集団を手作り感溢れる映像で愛情を込めて描いてきた入江監督が、松竹という大舞台でどんな映画を作るか興味津々だった。

今回は邦画メジャーらしく人気漫画の映画化だし、いくらロックの話とはいえこの監督がこれまでのような演出をする訳はないと思っていた。

冒頭、松竹の富士山のロゴが出てきて急に心配になってきたが、映画が始まったとたんに安心した。田舎のチープなロックバンドが、どうでもいいことで喧嘩をしてグダグダしている。異常なテンションの高さとわざとらしい大げさな表現。ああやっちゃったなあという感じ。

ところがよく見ると主人公は野村修平だし、ゴロツキの1人は蛭子能収だし、ライブハウスの主人は竹中直人だし、その姪のアイドルを演じるのは二階堂ふみで彼女の事務所社長は鞠谷友子。

二階堂演じる宇田川咲は、野村のバンド「ロックン・ロール・ブラザーズ」に才能を見出して世に出そうとするが、そう簡単にはいかない。結局バンドはうまくいかず、バラバラになってゆくが、例によって最後の一発逆転ホームランが待っている。

これまでの映画と違って、物語の構造がいささか陳腐なメロドラマなのでちょっと引いてしまう部分はある。しかし野村を始めとするロッカーたちのハイテンションぶりは、それを忘れるくらい気持ちいい。二階堂のコンサートも迫力満点だし、最後の野村たちの嵐の中の野外演奏は、まるでロミオとジュリエットみたいで、不思議な純愛感がある。

最初は何だかなあと思いながら、見ていると最後には大きなカタルシスが巻き起こるというのはいつもの彼の映画と同じ。入江節、健在だった。

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