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2014年8月15日 (金)

初めてドラえもんを映画館で見る

お盆の夕方、ふと映画を見ようと思った。最初は映画評で好評だった『めぐり逢わせのお弁当』を見ようかと思ったら何と満員で入れず、転戦して『STAND BY ME ドラえもん』を見た。予告編が気になっていたし、山崎貴監督だし。

私は個人的にはドラえもん世代ではない。「小学○年生」での連載が始まったのが1970年でテレビが1979年というから、漫画やアニメから興味が離れていた。高校生や大学生の頃にテレビで何気なく見ていたけれども。

今回は一種の総集編でドラえもんのいい場面をうまくつないだものらしいが、もともと内容をよく知らないので懐かしさはない。ところが別の点で実にノスタルジアを感じた。

まず一番は、1970年代の日本をうまく再現している点だ。すべて畳の部屋で、押入れにはふとんがしまってあり、窓際にはサッシ窓が嵌め込まれて、木製の学習机がある。本棚には百科事典とか、カラーボックスにはプラモデルとか。屋根は赤い斜めのスレートで、家の回りには煉瓦調のコンクリート塀。何度も舗装し直した道。マンションも数えるほど。

タケコプターで空を飛ぶ時の快感といったら。でき始めた新宿副都心や皇居の森や電車(たぶん小田急線)もきちんと出てくる。1980年代のイケイケの高度資本主義到来以前で、このころが日本は一番幸福だったのではないかと思わず思ってしまう。

もちろん山崎監督は『三丁目の夕日』シリーズで1960年代の日本を甘美に描いていたので、今度はそれを70年代に持ってきたのだろう。それでもそのノスタルジアに思わず乗せられてしまう。

のび太君が12年後を訪れる場面は超未来だ。まさに70年代の少年が夢見たような未来で、これまたちょっと懐かしい。もちろん実際には80年代も90年代もそんな超未来ではなくて、むしろスパイダーマンとかに出てくる風景に近い。

そこで面白いのは、トヨタとパナソニックと森ビルのロゴが大きく出てくることだ。製作に電通が入っているのでもちろんタイアップだろうが、とりわけトヨタのロゴの出る回数は多いので、それなりの金額が動いているのだろう。未来でも活躍するトヨタのイメージは悪くない。

12年後にのび太君と結婚するしずかちゃんの父親が、結婚前日にしずかちゃんにさとす言葉にはちょっと涙が出た。小津のマネかと思ったが、原作にちゃんとあるようだ。

そんなこんなで、初ドラえもんは意外に楽しめた。ジブリの手書きアニメとは違ってCG中心だからディズニーに近いけれど、人物は漫画らしく単純化されているし、背景は特撮のようにミニチュアをきちんと作ってあるから、これまた日本アニメの独自路線だろう。

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