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2014年10月23日 (木)

「映画館空白地域」が増えている

コミュニティシネマセンターという組織がある。全国のミニシアターや公共上映施設をつなぐ団体で、年に一度全国会議がある。このセンターに大学時代の同級生が勤めていることもあり昨年から理事をやっているので、授業の合間に参加してみた。

今年の会議のテーマは「スクリーン体験 フォーエバー! 私たちはスクリーンで映画をみたい/みせたい」。最初に香川京子さんのトークがありこれは何とも有難いものだったが、その後の事務局からのプレゼンテーションがおもしろかった。

まず、2003年から2013年までの10年間で、映画館の環境がどう変わったかをわかりやすく説明してくれた。03年は2681スクリーンだが、13年は3318と増加している。ところが映画館(サイト)数で言うと、03年に約800館あったのが、13年には600館に減少している。

つまりこの10年で200館が閉館している。それはミニシアターか、シネコンではない地元興行館とポルノ専門館ばかりという。13年では、600館のうち300館以上がシネコン。

それを県別に見せてくれたパワポが衝撃的だった。秋田、徳島、島根、埼玉、福岡など人口規模の異なる県を例に取っての説明だったが、徳島は8館から2館へ、島根は5館から2館へと減少しており、各都市にあった映画館が県庁所在地とその周辺のみになった。

一方700万人を超す埼玉では39館から42館に増えているが、浦和、大宮などの都市部に移行している。つまりは人口の多いところにシネコンが集中し、全国各地に映画館空白地域が増大していることが如実に表れていた。

その一方で、2000年以降NPO法人も含めた地方のミニシアターが10館ほどできているという報告もあった。逗子市のCINEMA AMIGOとか大館市の御成座とか。

同センターは、映画館空白地帯を増やさないために、映画館という「場」の維持のための公的な助成金をと訴えていた。年間3500万円くらいの興行収入がある(1日に70~80人)地方の映画館の経営を例に取って、給料が1人分しか出せない状況が示された。ここに300万円の助成金があれば、もう1人雇えて経営が楽になり、雇用も生まれると。

アート系の映画館に助成金を出すのは欧州ではよくあることだが、日本では聞かない。上映に関する日本の助成金は、映画祭のような企画ごとのものだ。しかしこれをやらないと「無医村地域」のような「映画館空白地域」が今後も広がって、「無映画館県」も生まれそうな気がした。

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