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2014年10月 2日 (木)

鈴木敏夫さんの講義:その(2)

鈴木敏夫さんの講義でたぶん学生の心に響いたのは、仕事には2種類あるという話だろう。1つは普通にお金を稼ぐ仕事で、もう1つは好きなことをやりながら生きていくパターンという。前者が9割以上。

残りの数%の人間は社会的適応能力は低いが、それと引き換えにものを作る才能がある場合が多い。鈴木さんの言葉を借りると「道楽」追求型ということになる。

こちらの仕事は公私混同でいい。おもしろいと思ったことを「行き当たりばったり」に追及してゆくと、いつの間にか結果が出てくる。世間から見ると「道楽」だが、これに全力投球をする。道楽も一生懸命やらないともしろくないし、ものにならない。

鈴木さんは学生時代、20以上のバイトをやったという。就職にあたって、「特にやりたいことはない」状態で、当時の言葉だと「モラトリウム」。ところがバイト先の社長から「ものを書く仕事は向いているのでは」と勧められて、「夕刊フジ」を受けた。ところが最終面接で「新聞の社会的責任は」と聞かれて「そんなものはないでしょう」と言って落ちたらしい。「ウソをつくのがいやなんだ」

読売新聞を受けに行ったら、可愛い女の子がいたので、その彼女とそのまま遊びに行ってしまって、おしまい。ようやく徳間書店が拾ってくれた。徳間社長は、「記者や編集者はお金のことは一切考えるな」と言ったという。何とすばらしい。

そこから好きなことを追いかける「仕事道楽」が始まる。それからアニメ雑誌「アニメージュ」創刊に係わり、ぞの取材で高畑勲や宮崎駿と出会う。そしてそれが「映画道楽」につながってゆく。

高畑勲に電話すると取材を受けない理由を1時間話されたとか、その後に宮崎駿が出てきていきなり「あらましは横で聞きました。16ページください」と言われたとかの話は、既に本に書かれているので省略。

「行き当たりばったり」という点だけは、自分を考えても当てはまる気がする。今は大学で教えているが、これも偶然としか言いようがない。とても「道楽」と呼ぶ境地には達していないが。

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