« 東京国際映画祭はやはりダメか:その(10) | トップページ | 『マダム・マロリーと魔法のスパイス』の面白さと不満点 »

2014年11月 2日 (日)

『ゴーン・ガール』の衝撃

ハリウッドの大作はもともと試写状があまり来ないし、劇場で見た方が迫力があるので試写はあまり見ない。12月12日公開のデヴィッド・フィンチャー監督『ゴーン・ガール』の試写を見に行ったのは、東京国際映画祭の我慢大会のようなコンペを見続けて疲れたから。

その意味で、これは大当たりだった。つまり最初から最後まで、一瞬たりとも退屈しないサスペンス劇で、見終わって、本当に頭がスカッとした。

物語は、結婚5年目の記念日に妻エイミーが姿を消すところから始まる。「ゴーン・ガール」とは「行ってしまった女」のことで、「消えた女」の話はヒッチコックの『バルカン超特急』(1938)から最近のイラン映画『彼女が消えた浜辺』に至るまで、映画にはよくある話だ。

そのうえ、その女が実は悪女でという展開は「ファム・ファタル」とは少し違うけれど、これまた映画に多い。映画は失踪後1日目、2日目という風に淡々と警察の捜査の様子を見せてゆくが、同時に5年前の出会いと結婚の回想も挟まれる。

その回想は途中から妻の日記となり、2人が必ずしも仲良くなかったことが明らかになる。同時に捜査の結果、2人が住んでいた部屋からは、奇妙な跡がいくつも見つかる。もともと両親が書く人気絵本のモデルだったエイミーの失踪はテレビでも話題になり、疑惑は夫に向かってゆく。

ここから先は書けないが、その後にあっと驚く展開が何度か待っていて、後半になるほど緊張は増してゆく。美女でありながらどこか怪しいエイミーを演じるロザムンド・パイクが抜群にうまいし、世間から攻撃されながらなんとか持ちこたえる夫をベン・アフレックが好演する。

デヴィッド・フィンチャーという監督は、『ソーシャル・ネットワーク』でもそうだったが、追い詰められた人間を主人公にたたみかけるようなドラマを作るのがうまい。見終わると何だったのかとも思うけど、やはり興奮した。

邦画の『紙の月』と共に、この冬、悪女のすさまじい生き方を楽しむ映画だろう。それにしても、美人で頭の回転が速くみんなに人気の女性が、実は闇の部分を持っていてとんでもない行動に出るというのは、私も個人的に経験がある。やはり女は恐い。

|

« 東京国際映画祭はやはりダメか:その(10) | トップページ | 『マダム・マロリーと魔法のスパイス』の面白さと不満点 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/60582290

この記事へのトラックバック一覧です: 『ゴーン・ガール』の衝撃:

« 東京国際映画祭はやはりダメか:その(10) | トップページ | 『マダム・マロリーと魔法のスパイス』の面白さと不満点 »