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2014年12月29日 (月)

気分転換に『フランシス・ハ』を見るも

今年の年末年始は9連休の会社員が多いそうだが、大学の教師の休みはもっと長い。私は最後の授業が12月22日で最初の授業が1月8日だから、倍くらいある。ところが意外にやることがある。

私の場合は、レポートの直しと採点が2つ、およそ30人分と60人分ある。それから年末に持ってきたり送ってきたりする卒論草稿の最終直しと自宅近くの喫茶店での指導が7人。新年は1月3日から喫茶店指導が始まる。

それから来年度の授業のシラバスを書かないといけない。特に来年度は同じ大学の通信制大学院と関西の某大学院の集中講義を引き受けたので、従来からのW大を含めて非常勤だけで3つもある。

とりあえず締め切りの早い順にシラバスを1つずつ片付けていたら、目が回ってきた。そこで気分転換に新文芸坐に『フランシス・ハ』を見に行った。学生がおもしろいと言っていたし、映画会社の友人にも勧められた。

確かに私好みの頑張る女が出てくる。それも走る女だ。まるで『紙の月』か『ラン・ローラ・ラン』のラストのように、女は冒頭から街を走る。税金の還付があったからと男性をデートに誘うがクレジット・カードが使えずに、遠くのATMまで走る。転んでも走る。

画面はシャープな白黒で、ニューヨークを舞台に27歳の一人の女性がさまよう姿がハイテンポで描かれる。女性と同居したり、2人の男性と住んだり、カリフォルニアの実家に帰ったり、突然パリに行ったり、母校の大学寮の管理人をやったり。

いつまでたってもカレ氏はできない(そのことを男性の友人に"Undatable"=「デートできない」=「非モテ」と言われる)し、ダンサーの仕事もうまくいかず、お金に困ってばかり。友人たちは結婚したり、仕事をしたり。時おりフランス映画らしい音楽(ジョルジュ・ドリュリューだとクレジットでわかった)とかデヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」などが挟み込まれる。

だが、私にはすべて思わせぶりの「お洒落なアート映画」に見えて、退屈してしまった。自意識過剰の無能な女の毎日を、いかにも思わせぶりに描いて何になるんだろう。

こちらが一日中つまらない事務仕事ばかりしていたせいで、あまりに楽天的で自由に生きる女性に腹がたったのかもしれない。基本的にはハイレベルの作品なので、この映画を好きな人がいるのはよくわかるし。監督は『イカとクジラ』のノア・バームバック。

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投稿: 石飛徳樹 | 2014年12月29日 (月) 12時00分

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