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2014年12月 8日 (月)

『インターステラ―』にビックリ仰天

クリストファー・ノーランの『インターステラ―』を劇場で見た。年末ということもあり、どうしても昨年末に見た『ゼロ・グラビティ』と比較したくなる。中盤までは、そのリアルな宇宙感覚において『ゼロ・グラビティ』には遠く及ばない、と思いながら見ていた。ところがそう簡単ではない。

見終わると、ビックリ仰天の壮大なホラ話に参りました、という感じ。予告編以外の一切の情報なしで見たせいもあるが、途中からどんな展開になるのか想像がつかなくて本当にワクワクしたし、最後には涙を流してしまった。細部は疑問だらけなのだが。

『ゼロ・グラビティ』のような宇宙の果ての感じはない。こちらが描くのは5次元で、1時間が地球の7年分という設定。そこに宇宙船が飛び込む時のまるで闇の果てのような光景や最後に飛行士がたどり着く、データ図書館のような5次元の世界の恐ろしさといったら。

物語は、地球の終わりのような光景の中で農場を経営する奇妙な男クーパー(マシュー・マコノヒー)の日常から始まる。彼は娘と偶然に隠されたNASAの基地に迷い込む。実はクーパーは元宇宙飛行士で、NASAのブランド教授(マイケル・ケイン)から、別の銀河へ行って人間が住める星を探せと命じられる。

クーパーは娘の反対を押し切ってブランドの娘アメリア(アン・ハサウェイ)らと突然出発する。何ともご都合主義の展開だが、話はこれからさらに滅茶苦茶に進む。別の銀河にたどり着き、既に調査済みの3つの星を訪れるが、そのそれぞれで何とも人間臭い話が展開する。

びっくりしたのは、その星の一つでマット・デイモン演じる飛行士が現れた時。結局彼のエピソードは後につながらないのでなくてもよかった気もするが、映画全体にこうした無駄が溢れている。無駄といえば、クーパーの家のまわりの広大なコーン畑もすごかったが、海しかない訪れた星の巨大な波や、氷しかない星の荒涼とした光景もすさまじい無駄ぶり。

そうして最後はクーパーの娘との再会への戦いとなる。普通はここで地球の終わりが描かれると思いきや、遮二無二ハッピーエンドにして未来を描いているのに開いた口が塞がらなかった。

もう1回見たいが、木場のアイマックスか、丸の内ピカデリーの35ミリフィルム上映か迷うところ。

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コメント

今回のノーラン、全くの豪腕ですよねー、いい意味で。 私は既に2度めに挑戦しましたが、1度目ではわからなかった部分がけっこうあり 十二分に面白かったです。かつ!豪腕ぶりのメッキが全く剥がれないのにも 驚き!でした。

投稿: onscreen | 2014年12月 9日 (火) 01時06分

あら、本当ですか?私、駄作だと思いました。脚本はもちろん、映像もつまらなく、垂れ流している音楽は聞くに絶えなかった。あれ、音楽だけで雰囲気を作ってますんちゃう?(笑)唯一、娘と和解できずにNASAへ向かう車と、宇宙船発射のカウントがクロスするところだけ、面白い演出だと思いましたが。

あと、泣ける泣けると評判だったのですが、そのポイントさへ分からず。これは問題ですね、映画を見る目が心配です。で、先生はどう評価しているものかと、この記事を読んだのですね。んー、やはり分からん。

投稿: M | 2015年1月 3日 (土) 03時46分

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受信: 2014年12月 9日 (火) 00時24分

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