年末年始の展覧会2つ
仕事以外は映画と読書と酒盛りに費やしている年末年始に、展覧会を見るといい気分転換になる。視覚的な世界に頭の別のところが刺激されるというか。まず見たのは、上野の国立科学博物館で2月22日まで開催の「ヒカリ展」。
科博は「人体展」とか「大顔展」とか、時々とんでもない企画をやる。まさかそれは展覧会にならないだろうと思うと、元展覧会屋(ランカイヤ)の私としては足を運びたくなる。「ヒカリ展」もそんな感じがした。新聞で紹介されていたら、いい感じだったし。
ポスターなどのキャッチは、「この冬 不思議な光に包まれる」と神秘的。ところが中身は真面目すぎていま一つ。とにかくパネルの解説が多すぎるし、科学の記述は読んでもよくわからない。
一番おもしろかったのは、3Dオーロラシアター。アラスカの8キロ離れた地点でオーロラを撮影したものらしいが、眼鏡をかけて5分ほどの映像をみるとなかなか。もっとちゃんとした劇場の形で音楽付きで見せたら盛り上がるだろうに。
ほかは、蛍光鉱物に紫外線を当てて見る展示が良かった。ルビーやオパール、蛍石などの鉱物が、赤や青や緑に光り出すのはちょっとびっくり。
もう一つ見たのは、サントリー美術館で3月1日まで開催の「仁阿弥道八展」。今年は仕事で京都に5回、神戸に1週間行く予定。そんなこともあって、「京焼」で知られる仁阿弥道八の焼物を見ておきたいと思った。名前は聞いたことがあったが、「にんなみどうはち」と読むことさえ、実は知らなかった。
最初に父親の高橋道八の作品が並び、後半は息子の作品が見られる。そして見ていてほとんど差が感じられない。チラシに書かれた「のびのびと、まじめに」というキャッチコピーがぴったりで、江戸時代の京都の安定した環境できっちりした仕事を続けているさまがうかがえる。
本当に手に取りたい、優しい感じの茶道具や、懐石の茶碗。乾山、南蛮などさまざまな手法を真似て器用に作り出す「写し」という手法は、あえて作家性を主張しない、その必要がない余裕を感じさせる。あるいは動物をかたどったユーモラスな置物。何より展覧会の入口にある狐の炉蓋に大笑いしてしまう。
心を和ませたい時に見るといい展覧会かもしれない。
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