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2015年1月11日 (日)

『トラッシュ!』の楽しさ

東宝シネマズのカードが貯まって無料で見ることができたので、どれを見ようかと探して選んだが、『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』。ありがちと言えばまさにありがちだが、十分に楽しんだ。監督はスティーヴン・ダルドリーで、アカデミー賞の常連。

『リトル・ダンサー』から『めぐりあう時間たち』、『愛を読むひと』、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』まで、とにかく凝りに凝った巧みな物語を作る才人だ。個人的にはどこか苦手だが、いつもその技術に押し切られてしまう感じ。

今回はリオ郊外のスラム街のゴミ山で働く3人の少年が、財布を見つけたことから事件に巻き込まれるというもの。その財布は市長の汚職を告発する男アンジェロが殺される直前に投げ捨てたもので、その財布にあった鍵や数字の書かれた紙から、汚職の証拠が出てくる。

途中から証拠を探す少年たちと市長に操られる警察との戦いになり、アメリカ人の牧師やボランティアが少年たちを応援する。貧困と社会正義とサスペンスがテンコ盛りになって映画を盛り上げる。

全体の3分の2くらいを、ゴミの山やスラム街や地下の下水道のシーンが占める。そこを縦横無尽に走り回り、警察をけむに巻く少年たちを見ているだけで楽しい。後半でアンジェロの娘が現れて、ファンタジーのような終わり方をするのもなかなか。

全体としてはビデオ画面の証言を始めとして、カットバックが多すぎるのがかえって迫力をそぐ気もするが、この技巧が監督の持ち味だろう。「ありがち」と言えば、先進国の正義感溢れる人々が純真な子供と協力して途上国の汚職を暴く、という構造もいささか気になる。

1989年の秋だと思うが、一度だけブラジルに行ったことがある。サンパウロとリオに行ったが、空港から中心に行く途中のスラム街を今でも覚えている。リオの海岸で黒人の少年たちに襲われそうになって、一目散に逃げたこともあった。またノスタルジアへ。

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