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2015年1月30日 (金)

これ以上、アートはいらない:その(1)

先日送られてきたリリースに、「神戸ビエンナーレ」というのがあった。今年の9月から11月に開催らしい。「海で出合う芸術祭」とも書かれている。「出合う」ではなく「出会う」という気もするが、それはおいておく。

私は知らなかったが、これまで8年間4回の開催をしているらしい。主催は神戸市で共催が兵庫県で、事業費は約3億円。「アートインコンテナ」「現代陶芸」「コミックイラスト」などいくつもコンペがあって、兵庫県立美術館では企画展もやるようだ。

地方自治体がやるのに東京の住民が言うのも何だが、「税金の無駄遣い」だなあと思う。ビエンナーレ、トリエンナーレのたぐいは、2000年の越後妻有と2001年の横浜に始まって、あちこちに増えた。私が知っているだけでも、あいちトリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭、去年はじまった札幌国際芸術祭、今年の3月に始まる京都国際現代芸術祭。

そこそこの観客数はいるようだが、1昨年100万人を集めたという瀬戸内芸術祭だって、行ってみると夏休みでも客はまばら。自治体が人数の数え方を細工しているとしか思えない。

それにどれも国際的なインパクトはゼロに近い。ベネチアなど海外の芸術祭で話題になったアーティストの新作を取り合いして、日本の現代作家を適宜足しているだけ。規模も海外の芸術祭に比べて圧倒的に小さい。かつては横浜はある程度の規模はあったが、もはや単なる地方の芸術祭レベルになってしまった。

つまり東京国際映画祭が規模も内容もインパクトも弱いのと全く同じ。日本はいい作り手はいるが、国際フェスティバルは全く苦手。それなのにやたらにビエンナーレの類が増えてゆく。同じディレクターがあちこちで活躍するだけの縮小再生産。

それ以上に、今の日本で「現代アート」は誰が必要なのだろうか。私は現代美術が好きだし、それ以上にかつて仕事としても係わってきたけれど、現代アートがすきな人は本当に少ないと思う。国策としては一つ大きなものは必要だと思うが、全国各地にある必要はない。

そんなお金があったら、入居待ちが何十万人に及ぶ老人介護施設を作ってほしい。その方が雇用にもつながる。アートがやりたいなら、介護施設を会場にしたらいいではないか。今後老人はどんどん増えてゆくのだから。

日本が世界一の借金大国になった今、「イベント型」「はこもの・土建型」の税金の無駄遣いはどんどん止めて欲しい。

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