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2015年2月24日 (火)

せっかちで見た『味園ユニバース』

とにかくせっかちだ。思い立ったら、すぐにやらないと気がすまない。スーパーやクレジット・カードのポイントなどは少し溜まるとすぐ使う。そんなわけで、テアトルシネマグループの無料券が手に入ったので、5月まで有効なのにすぐに『味園ユニバース』を見に行った。

先日『マンゴーと赤い椅子』を見にヒューマントラストシネマ渋谷に行って1800円払おうとしたら、1000円で会員になれば1000円で見られて無料券が付くと言われて、その通りにした。すぐに使わないといつ死ぬかわからない気がして、サイトで見たら山下敦弘監督の『味園ユニバース』をやっていた。

見た感想としては、途中まではおもしろかったが、終盤のツメが甘かったのではないか、というところ。それでも山下監督はこうした力を抜いたような小品でも、随所に映像センスが光る。『もらとりあむタマ子』と同じ感じか。

冒頭、刑務所から出た男(渋谷すばる)が、何者かに殴られて記憶を失った状態で、野外コンサートに乱入する。そのコンサートは「赤犬」という大阪の実在のバンドで、脱力感溢れる感じもあいまって、白昼夢のようだ。そのバンドを仕切るのが、二階堂ふみ演じるカスミ。

男はなぜか歌がうまく、カスミは「ポチ男」と名付けて養うことになる。そしてポチ男はカスミの助けを借りて、記憶を取り戻してゆくが、実は彼の正体は…という展開。

ポチ男とカスミが縁側でスイカを食べながら、種を飛ばし合うシーンや、カスミが訪ねたポチ男の実家で会ったポチ男の義兄(宇野祥平)と橋を渡りながら話すシーンなど、あちこちで物語に直接関係ないが何とも言えない情緒が溢れてくる。

そしてポチ男の歌がいい。記憶喪失の彼が覚えていた「古い日記」などは、「あの頃は ふたり共」というセリフが、昔、和田アキ子が「ハッ」という掛け声と共に歌っていたイメージと重なって、強い衝撃を受けた。大阪風の大らかな歌い方の「赤犬」に、真剣なまなざしのポチ男の声が加わって、妙な緊張感も生まれていた。

二階堂ふみとバンドという組み合わせに『日々ロック』を思い出した。どちらも監督の作家性に頼りすぎて脚本がいま一つだと思うけれど、こちらの方が映画になっている。


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