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2015年2月21日 (土)

レストランはサービスがキモ

去年ここで書いた白金のイタリア料理店「ロッツォ・シチリア」と三越前のフランス料理店「ラ・ボンヌターブル」を今年になって再訪して、改めてその心地よさに浸った。もちろん料理は抜群だが、全体に広がる肩の凝らない雰囲気のおかげではないか。気取らない内装と共に、サービスを担当する人たちの、温もりのあるきめ細かい対応がキモだろう。

「ラ・ボンヌターブル」は暗めの照明でエレガントな感じだが、テーブルクロスはない。給仕をする男女は揃いのジーンズとシャツに前掛け。とりわけワインを勧めてくれるソムリエの男性がすばらしい。

ここでは、料理に合わせて3種や5種のお任せワインを頼むのがいい。すると国産も含めて、今までに見たことのワインが続々と出てくる。例えば「鰤の炭火焼にトンブリとレモン、ごぼうのソース」に合う料理として、北海道のスパークリングワインが出る。

料理が終わる前にワインを飲んでしまうと、「少し継ぎ足しますね」という具合に優しい。決して会話に入ってくるわけではないが、よく見ていてつかず離れずのサービスをする。メインの「帆立貝と大和芋のムースで包み焼にした平目」にはロワールの白ワイン。これは下に敷いたキャベツもよかった。

ここは6000円台のプリ・フィックスしかない。もともとデザートを食べない私はプリフィックスは苦手だが、ここまで優しくされるとまた行きたくなる。それに前菜の前にいつも出てくるサラダの盛り合わせも、実にそれぞれの野菜の味がする。どの皿も、日本の食材を追求した新しい料理が楽しめる。

「ロッツォ・シチリア」は、料理も内装もサービスもさらにカジュアル。ここもベテランの男性のサービスが心地よい。お任せのワインはないが、料理もワインもこちらの希望を聞きながら相談に乗ってくれるお兄さんという感じ。

結果として食べたのは茄子のカポナータやひよこ豆のフリット、まるごとのモツァレッラとミニトマト(これは本当にうまい)、シチリア産のカラスミのスバゲッティ、カジキの詰め物オーブン焼きと前回とほぼ同じだったが、味はシチリアそのものという感じで何度来ても嬉しくなる。敢えて言えば、私が選んだ安めの赤ワインがいま一つだった。これはお兄さんに相談すべきだったと反省。

レストランのサービス担当は、単なる運び屋さんではない。運ぶだけなら学生バイトでもできるが、客と会話をしながらおいしい食事の手助けをし、暖かい時間と空間をつくる重大な仕事なのだと思う。

そういえば、今でも流行っている「ボン・グゥ神楽坂」は、長年フレンチでサービス担当だった人がオーナーとなって開いた店のはず。神楽坂といえば、ソムリエが開いたイタリア料理店「神楽坂ヴェーリ」にも長いこと行っていない。灯台下暗しになってきた。

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