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2015年2月 8日 (日)

京都の話:その(3)東京駅と近代化遺産

また、京都に行った。大学に移ってからは国内出張が少なくなったので、東京駅から新幹線に乗るのが何とも新鮮に写る。少年のように心が躍った。

東京駅と言えば長い間工事をしているイメージがあったが、ようやく工事が終わってずいぶん綺麗になった。丸の内側の高い円天井を見ると、明治の近代化遺産をきちんと保存するのは悪くないと思う。駅のホームに立つと、空中権を売ったせいで、まわりの新しい高層ビルに取り囲まれた感じでおかしい。

それから駅構内の店もずいぶん増えたし、照明も含めてカッコよくなった。先日は昼の弁当を買おうと思ったが、種類が多すぎて目移りし、新幹線に乗り遅れそうになった。鰻弁当、ステーキ弁当、鯖寿司、海鮮丼、深川めしと見ていると頭がくらくらしてきた。

京都でも、偶然に明治の近代化遺産を見た。泊まったホテルの近くの蹴上のインクラインは、琵琶湖から船を行き来させるために、傾斜の激しい場所では台車に乗せて電気で引き上げていた施設という。その台車や長い線路が復元されていて、その上を歩くことができる。線路の土台は赤レンガ造りで固められていて、風情がある。

これが何百メートルもあって、いい散歩道。桜の木があったので、春はいいだろうなと思いながら、凍てつく道を歩いた。台車を動かす電気を起こすための発電所もあった。現在も稼働している建物の奥にこれまたレンガ造りでアーチ形の古めかしい工場が残っている。残念ながら近づくことはできず、塀があって遠くから眺めるだけ。

お金がかかるのかもしれないが、そこを修復して公開したら素晴らしいのにと思う。現代美術のギャラリーなどにすれば、ベネチア・ビエンナーレのアルセナーレ会場のようなたたずまいを持つだろう。

反対側に線路を歩くと、南禅寺がある。禅寺なので、ずいぶんすっきりしていて寒い冬にぴったり。観光客も少なくていい。中を歩くと、忽然と赤レンガの大きなアーチが現れた。「水路閣」と呼ぶらしく、上が水路で長く続いていて、その下にアーチがいくつもあった。あたりは寺院や庭園ばかりなのに、その中に赤レンガがうまく溶け込んでいた。

東京駅や京都の明治期の近代化遺産に妙に反応するのは年のせいかもしれない。かつてはそんなものはどうでもよかった。

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