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2015年3月

2015年3月31日 (火)

放射能から逃げる母たちについて

鎌仲ひとみ監督の『小さき声のカノン―選択する人々』を劇場で見た。福島の原発事故以来、もちろん原発には反対だけど、過剰に反応する母親たちはどうだろうかと実は思っていた。

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2015年3月30日 (月)

スイスデザイン展に考える

初台の東京オペラシティアートギャラリーで、「スイスデザイン展」を最終日に見た。この春休みは久しぶりに余裕ができたせいか、行き当たりばったりな日々を過ごした。その結果、展覧会は最終日近くに駆け込むことが多い。

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2015年3月29日 (日)

京橋で展覧会ふたつ

京橋で展覧会を二つ見た。ひとつは、今日で終わるフィルムセンターの「ミュージカル映画の世界」展で、もうひとつはブリヂストン美術館で5月17日までの「ベスト・オブ・ザ・ベスト」展。一応映画を教えているので、フィルムセンターの展覧会は必ず見ようと思っている。

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2015年3月28日 (土)

マグリット・ノスタルジア

マグリット展が六本木の国立新美術館で始まったが、珍しくオープニングに出かけていった。なぜなら、かつて15年ほど展覧会屋(ランカイ屋)をやっていた頃に、一番思い出深いのが1994年から95年にかけて開催した「マグリット展」だから。

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2015年3月27日 (金)

『ブラックハット』の現代性

現代社会の問題は多いけれど、本質的なものとしては食糧とか資源とか原発を含むエネルギーとかがあるだろう。そしてその基礎には、コンピューター制御のサイバーシステムがある。5月8日公開のマイケル・マン監督の新作『ブラックハット』はそれらすべてを題材とする。

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2015年3月26日 (木)

卒業式に歯が痛むとは

昨日は卒業式だった。教師にとっては毎年のことで、小津の映画『小早川家の秋』のラストで火葬場に上がる煙を見ながら、笠智衆が「人間は死んでも、せんぐりせんぐり後から生まれてくる」と言う場面を思い出す。学生は4年たつと去ってゆき、2週間後に新入生が目を輝かせてやってくる。

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2015年3月25日 (水)

意外におもしろいデンマーク製西部劇

黒澤の映画を見ればわかる通り、西部劇は世界の映画に広がっているが、6月27日公開の『悪党に粛清を』は、マッツ・ミケルセン主演で監督もデンマーク人のクリスチャン・レブリング。さてどうなるかと思ったが、思いのほかちゃんとした西部劇だった。

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2015年3月24日 (火)

『妻への家路』に見るチャン・イーモウの現在

現代において、アジアの監督は長持ちしない。かつて世界をリードしたホウ・シャオシェンもチェン・カイコーも、今ではずいぶん目立たない。ヨーロッパではいまだにゴダールやベロッキオが、アメリカではスピルバーグやスコセッシやイーストウッドが活躍しているのに。

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2015年3月23日 (月)

『メトロポリス』から『東京暗黒街 竹の家』へ

4月以降の授業の準備でDVDを見ていたら、「ヘンな日本」を描く2本をたまたま同じ日に見た。1本はフリッツ・ラングの『メトロポリス』(1927)で、もう1本はサミュエル・フラーの『東京暗黒街・竹の家』(1955)。

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2015年3月22日 (日)

本当のことを言おうか:「新印象派展」

本当のことを言うと、映画も美術も独学だ。映画に関してはパリの大学に1年間と某大学院に1年間いたが、体系的には学んでいない。おおむね、映画も美術も仕事を通じて自分勝手に学んだ。だから今でも知らないことが多い。

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2015年3月21日 (土)

春休みの読書:『李香蘭 私の半生』

春休みはいつもより本を読んでいるが、映画や展覧会を見る数も増えるので、そちらを優先して書く。その結果、触れていない本が溜まってきたので、忘れないうちに書いておく。

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2015年3月20日 (金)

本当のことを言おうか:大学教師の習性

この3月で、大学に勤めてちょうど5年になる。このくらいたつと、わかってくることがいくつかある。1つは大学の教師というものがどんな習性を持っているか。一言で言うと、地味でケチでダサい。

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2015年3月19日 (木)

「若冲と蕪村」展の衝撃

とんでもない展覧会を見た。サントリー美術館で始まったばかりの「若冲と蕪村」展のことである。今までこの2人を結びつけて考えたことはなかったが、何と同い年で来年で生誕三百年という。

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2015年3月18日 (水)

一足先に『ソロモンの偽証 後篇』を見た

週に一度は試写会に通っていても別に罪の意識はないが、『ソロモンの偽証』の前篇を劇場で見た後で、後篇公開の4月11日まで待てずに試写に行った時は、我ながらちょっとずるい感じがした。それでも早く見たいと思った。

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2015年3月17日 (火)

『ターナー、光に愛を求めて』の新しさ

画家を描く映画は多いが、意外に傑作は少ない。『ルノワール 陽だまりの陽光』も『モジリアーニ 真実の愛』もどこか違うと思った。6月公開の『ターナー』は、何とマイク・リーが監督と聞いて見に行った。

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2015年3月16日 (月)

小杉放菴の自由自在を考える

今でも美大には日本画科と洋画科があるように、明治以降の日本の美術は大きく2つに分かれて発展してきた。ところが洋画家なのに日本画も描いた画家が意外にいる。有名なのは小川芋銭や萬鉄五郎、岸田劉生などだが、芋銭は日本画が主で萬や岸田は洋画が主。

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2015年3月15日 (日)

おもしろすぎる『ソロモンの偽証』

劇場で成島出監督『ソロモンの偽証 前篇・事件』を見た。最近のはやりで、最初から一月ほど時期を空けての前・後篇公開というのが、どうも嫌だったので試写を遠慮していた。しかし映画評を見ていると、評判が良さそうだ。そのうえ、来週早々松竹に打ち合わせに行くので、話題作りもあるかと思った。

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2015年3月14日 (土)

「東宝スタジオ展」から「岡崎京子展」へ世田谷を歩く

もともと世田谷は嫌いだし、東宝とはなぜか相性が悪い。だから世田谷美術館で「東宝スタジオ展 映画=創造の現場」が開かれていると聞いた時は、どうしようかと考えた。しかしやはり見るのは仕事だろうと考えて足を運んだ。

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2015年3月13日 (金)

東南アジアの学生と見る『同じ星、それぞれの夜』

映画は、見る環境によって見え方が変わる。記者やライターが集まってタダで見る試写会と普通の観客の映画館では大きく違うし、海外の映画祭で日本映画を見ると全く別物に見える。先日、日本の若手監督が東南アジアで撮ったオムニバス映画『同じ星、それぞれの夜』を、東南アジアで映画を学ぶ学生や先生と一緒に見る機会があった。

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2015年3月12日 (木)

『追憶と、踊りながら』に響く「夜来香」

昨年に山口淑子=李香蘭が亡くなってから、ここにも書いた四方田犬彦著の『原節子と李香蘭』を読み、最近は自伝『李香蘭 私の半生』を読んだ。そんなおりに来た英国映画の試写状に、李香蘭の歌う『夜来香』が使われていると書かれていた。

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2015年3月11日 (水)

倒産ノスタルジア

最近、身近なところで倒産の話が続いた。配給会社のエプコット(アルシネテラン)が3月2日に破産申請受理。4日には美術出版社が民事再生法の適用を申請。そして公式な発表はまだだが、数日前から池袋西武のリブロが6月に閉店するニュースがネットをめぐっている。

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2015年3月10日 (火)

京都の話:その(6)PARASOPHIAとは?

もう少し、京都のことを書く。今、京都で一番盛り上がっているのは、東山の花灯路などではない。この7日に始まって5月10日まで開催される「PARASOPIA:京都国際現代美術展2015」である。

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2015年3月 9日 (月)

久々のグルメ映画:『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

意外なことだが、本当に料理がおいしく見える映画は多くない。最近だと『マダム・マロリーと魔法のスパイス』はまさに料理人を主人公にした映画なのに、なぜか料理そのものがくわしく語られない。料理の官能性に頼ると演出が鈍るかのように、映画監督は料理の描写を避ける傾向がある。

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2015年3月 8日 (日)

京都の話:その(5)夜の東山を歩く

とにかく、夜のライトアップとかイリュミネーションとかが苦手だ。あんな子供だましに喜んでスマホをかざしている人々を見ると、日本はやはりダメかなと暗澹たる気分になる。それでも友人に誘われて、京都の春のライトアップを散策した。

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2015年3月 7日 (土)

何とも貴重なグエルチーノ展

まさか日本でこんなものが見られるとは思わなかった。国立西洋美術館で始まった「グエルチーノ展」のことだ。同じ17世紀絵画でも、フェルメールやベラスケスやレンブラントなどに比べて知名度は圧倒的に低い。

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2015年3月 6日 (金)

『イマジン』から聞こえてくる音

先日見た4月公開の『ザ・トライブ』は、聴覚や発話の不自由な人々を主人公にした映画だったが、同じ4月公開の『イマジン』は、何と目の見えない人達を描く映画だった。この2本で映画の基本をなす目と耳を奪われた人々を見ているうちに、映画の新しい地平が見えてきた感じがした。

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2015年3月 5日 (木)

「教育のアベノミクス」をめぐって:その(1)

このブログでは政治についてはあまり触れないが、大学についてはもっと書かない。読んでいる学生もいるので気になるし、それ以上に自分がそこから給料をもらっている以上、書きにくいことがあるから。

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2015年3月 4日 (水)

『ジョーカー・ゲーム』の架空感

入江悠監督の『ジョーカー・ゲーム』をようやく劇場で見た。『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの自主映画で有名になったこの監督が、日テレ・東宝製作の大作でどんな演出を見せるか気になっていた。

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2015年3月 3日 (火)

ホイッスラーにおける唯美主義とジャポニスム

既にこの日曜で終わった美術展で恐縮だが、横浜美術館の「ホイッスラー展」について書き留めておきたい。この美術館は私が住む場所からはかなり遠いが、時々どうしても見たくなる展覧会をやっている。今回のホイッスラー展もその一つだった。

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2015年3月 2日 (月)

イランの薬師丸ひろ子

珍しくフィルムセンターでアジア映画をやっているので、行ってみた。福岡市総合図書館コレクションから選んだものらしいが、私がたまたま空いている時間に見たのはイランのアスガー・ファルハディ監督の『火祭り』(06)。

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2015年3月 1日 (日)

『敗戦とハリウッド』が描く戦後日本

20年ほど前からか、映画研究に文化史的、社会学的なアプローチが増えた。戦時中の邦画製作とか、台湾や韓国などの植民地の状況とか、戦後の占領下の製作とか。最近読んだ北村洋著『敗戦とハリウッド』もその1つ。副題は「占領下日本の文化再建」。

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