倒産ノスタルジア
最近、身近なところで倒産の話が続いた。配給会社のエプコット(アルシネテラン)が3月2日に破産申請受理。4日には美術出版社が民事再生法の適用を申請。そして公式な発表はまだだが、数日前から池袋西武のリブロが6月に閉店するニュースがネットをめぐっている。
これにフランス映画社の昨年11月の破産申請を加えると、何だか現代日本における文化の衰退を象徴するようで、ちょっと恐ろしい。そのうえ、この4社とも個人的にお世話になった。
もちろん事情はすべて異なる。フランス映画社は負債も3000万円代だったし、ある意味では個人会社のオーナーが高齢になって会社を畳んだと考えることもできる。アルシネテランも個人会社だが、こちらは韓流DVDで会社の売り上げが一挙に伸びたところで、その反動が来たということだろう。負債も20億円超と大きい。かつてオリベイラの映画はフランス映画社が配給しており、最近はアルシネテランが扱っているという共通点はあるが、2つの会社はずいぶん違う。
美術出版社は『美術手帖』を出している戦前からの名門で、ちょっとキネマ旬報社に近い(原稿料が安い点も)。こちらも負債が20億円超というが、美術界を離れて時間がたつ私には、理由はわからない。20年以上前から危ないと言われてきたから、単純に印刷や取次の支払いを止めてきたのが限界に達したのではないか。
池袋西武のリブロはかつては11階にあって、12階の西武美術館と共に西武文化の精髄だった。確か百貨店の文化事業部がやっていて、「リブロポート」という出版社もあった。私が大学生の時、リブロポートに就職したいという同級生がいたのを覚えている。
場所が地下になっても、近くにジュンク堂ができても、私にとってはなぜかこの書店は聖地だった。もちろんここで一番本を買った。最近は勤務先に近くなり、前よりも使うようになったのに。
こちらはすでに百貨店からパルコに売却され、今は取次の日販が所有しているらしい。だから閉店は単に家賃との兼ね合いかもしれない。その後にユニクロなどではなく、本屋が入ることを切に希望するが無理だろうな。
「美術手帖」には一度だけ原稿を書いたことがある。最初に勤めていた組織も含めて悪口を書いて、文字通り筆禍事件となった。そのおかげで一時期原稿の依頼がいくつも来たが、結局そこを辞めるきっかけになった。
本当にお世話になったフランス映画社とアルシネテランについて書くつもりだったが、もう時間がない。続きは後日(たぶん)。
3/12付記:古賀重樹さんからのコメントで間違いのご指摘をいただき、少し訂正しました!
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 自民大勝の朝(2026.02.09)
- 「中国にとって最も戦争しやすい国は、実は日本だと思うんです」(2026.01.22)
- 福崎裕子さんが亡くなった(2025.12.23)
- 高市自民党総裁に考える(2025.10.06)
- 国際女性デーに考える(2024.03.09)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 「テート美術館」展の見せる90年代(2026.04.06)
- 大西茂とは(2026.03.27)
- アルフレッド・ジャーのコンセプト力(2026.03.15)
- 「新版画」に泣く(2026.03.09)
- 久しぶりの現美(2026.03.01)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 東京に来て40年(2026.04.10)
- 10年前の今頃(2026.03.23)
- 長持ちの話(2026.03.05)
- 身辺整理の日々(2026.02.25)
- 謎の「トウキョウ・イノベーション・ベース」(2026.02.21)
「映画」カテゴリの記事
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は不思議なSF(2026.04.08)
- 初期アサイヤスに震える:続き『無秩序』(2026.04.12)
- 『自然は君に何を語るのか』の自然とは(2026.04.04)
- 『金子文子』の迫力(2026.03.31)


コメント
ずいぶん事実誤認がある気がしますよ。
リブロポートは出版社(すでに経営破綻)。リブロは書店チェーン。リブロ池袋の前身は西武百貨店池袋本店の書店売り場で入社したばかりの堤清二氏が最初に配属された部署。後に「西武ブックセンター」という名称になり、セゾングループの書店チェーンとしてリブロが設立されてから、「リブロ」となった。パルコ傘下に入ってチェーン展開を強化。現在は日販傘下。東販ではない。
記事は正確に書きましょう。
投稿: 古賀重樹 | 2015年3月11日 (水) 20時45分