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2015年3月25日 (水)

意外におもしろいデンマーク製西部劇

黒澤の映画を見ればわかる通り、西部劇は世界の映画に広がっているが、6月27日公開の『悪党に粛清を』は、マッツ・ミケルセン主演で監督もデンマーク人のクリスチャン・レブリング。さてどうなるかと思ったが、思いのほかちゃんとした西部劇だった。

最初に駅で男が2人待っていて、着いた列車から女と子供が降りてきた時は、違うと思った。その空間があまりに無機質で西部劇の匂いがしない。マッツ・ミケルセン演じる主人公ジョンは、妻子を馬車に乗せてデンマーク語で話しかけるし。ジョンはデンマーク出身で、ようやく妻子をアメリカに呼び寄せたという設定だけど。

それからその妻子が一緒に馬車に乗った見知らぬ男たちに殺されて、ジョンの復讐が始まる。犯人を見つけて殺すが、それはその町一番のギャング、デラルーの弟だった。それからデラルーの復讐とジョンの反撃が始まる。

まず、敵味方の双方が復讐のために戦うという設定が西部劇らしい。ジョンが着いた町は、これまた西部劇とはどこか違って無国籍風だが、そこで兄を殺されてさらに復讐心に燃える。

実は町中の人々はデラルーが嫌いだったが、全く手出しができなかった。そこに現れたジョンがたった一人で立ち向かうところも定番。デラルーを憎む女(エヴァ・グリーン)や少年が加わって、ジョンのチームができてゆく。勇気のない保安官や町長、そして棺桶の使い方など、西部劇らしい小道具も使って、最後の決闘に至る。

セクシーだが意志の強い女を演じるエヴァ・グリーンの存在が光る。彼女が銃を構える姿など惚れ惚れする。見終わると、一件落着の爽快感が溢れてくる。マカロニ・ウエスタンほどコテコテではないが、銃撃戦もたっぷり見せる。しかし残酷すぎるシーンは省く。西部劇をきちんと学んで現代風に仕立てた佳作だろう。93分という短さも潔い。

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