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2015年6月 1日 (月)

京都の話:その(7)

また京都に行った。前回まではある会議への参加だったが、今回は所属する学会の大会がたまたま京都で開かれた。若い頃に京都や奈良をきちんと見ていなかったので、私にとって初めての場所は無限にある。

京都と言えば、通常は駅の北側、つまり清水寺や金閣寺などのある側に行くことがほとんどだ。私も駅の南側である八条口には新幹線の乗り降り以外は行ったことがなかった。そこで今回はあえてそちらの側に行ってみることにした。タクシーの運転手さんが、清水寺などは中国人団体客だらけと言ったこともあった。

行ったのは東寺と東福寺で、どちらも相当に広いのに観光客も多くなくて静かで良かった。東寺は平安京の官寺だが、建物は戦火で焼けて後に再建されている。五重塔は江戸時代に再建されたものだが、古くなった感じが周囲の木々となじんでいる。近くで眺めていると、時間を忘れそうになる。

金堂は桃山時代、講堂は室町時代に再建されたもので、中には巨大な仏像が何体も飾られている。薬師如来や大日如来、日光・月光菩薩、不動明王、帝釈天など国宝や重要文化財がいっぱいだが、それぞれの意味について細かく書かれた本(昔ここで触れた)を持って来ればよかったと思った。それでも高い木の天井の下で見るのは、美術館で見るのとは大違い。

修学旅行のタクシー借り上げの中学生たちが何組かいたが、本当に全く興味なさそうだった。いったい中学生に京都を見せることに意味があるのかどうか。宝物殿はちょうど春の公開時期が終わったところで見られなかったのが残念だが、これは次の機会にしよう。

東福寺はさらに大きい。丘の中に無数の寺が建っている感じだ。ここは通天橋の眺めが有名らしいが、私は知らなかった。今年はJRの「そうだ 京都、行こう」キャンペーンで使われているらしく、ポスターも貼ってあった。

「紅葉の名所は、すなわち新緑の名所ですから」というキャッチコピーで、臥雲橋に自転車を泊めて通天橋を見る若い女性が写っていたが、それを真似たのか自転車の人も何人かいた。それでも観光客はそんなに多くないし、仏像が見られないせいか、修学旅行の中学生もいない。

確かに細く長い木造の橋を歩きながら、新緑を目にすると快感が走る。紅葉の時は本当に観光客が多そうだから、今ぐらいがちょうどいいのかもしれない。ここは、京都でもかなりお気に入りの場所になった。年を取らないと、古都はわからない。

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