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2015年6月30日 (火)

見る人によってはおもしろい展覧会2つ

展覧会の多くは美術展だが、それ以外のジャンルを扱う場合がある。そんな時は、関心がない分野だと全くピンとこない。私が一番それを感じるのは建築展。写真と図面と模型と映像しかないので、実物を見たくなる。

八王子に行く用事があって偶然に見たのが、「戦後日本 住宅伝説」展。この展覧会名は聞いたことがあると思ったら、埼玉の浦和、広島、松本と巡回して八王子夢美術館(何という館名!)にやってきたものだった。クレジットに、巡回展を扱う「美術館連絡協議会」もあったし。

この美術館は前も行ったことがあるが、ビルの2階にあって展示面積も狭い。しかしこの展覧会は空間を工夫してずいぶん盛りだくさんに見えた。内容は、戦後の日本の著名な建築家16人が建てた個人住宅を紹介するもの。写真パネル中心だが、それなりにおもしろい。

丹下健三や清家清、原広志のように、自宅を建てているのが興味深い。建築家が自分の家をどうデザインするのかは見てみたいから。丹下健三の1953年の家は、和風ながら実に大きく、庭も広くてまるで「公邸」という感じ。庭を使って大きなパーティも開いていたという。この豪壮な家は今もあるのだろうか。

有名建築家といえば、槇文彦の名前がない。彼の自宅は一度行ったが、自分の建築だったはず。何とも優美な洋館だったが、なぜ入れていないのだろうか。

これらの個人住宅はすべて1950年代から70年代までだから、最近の若手建築家は入っていないのが残念。話は変わるが、日本人が工夫してこうした個人建築を営々と作っていたのに、今度のオリンピックのメイン会場はザハ・ハディッドが選ばれた。その案を使ったゼネコン改ざん版の建築費用が2500億円で決まったと、今朝の朝刊に書かれていた。何ということだ。ザハ・ハディッドを選んだ審査委員長の安藤忠雄の沈黙が許せないと、彼の《住吉の長屋》(76)を見ながら思った。

話がずれたが、この展覧会は7月20日まで。東京都庭園美術館で今日まで開催の「マスク展」もそれなりにおもしろかった。これは文化人類学とか民俗学の分野の展示だが、日本を含む世界各地で作られたマスクを展示している。「仮面をつけたい」とは、たぶん人間の普遍的な欲望なのだろう。あえて怖い面をつけたい衝動というのは、よくわかる。私が突然、天狗のお面をかぶって教壇に立ったら、おもしろいだろうな。

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