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2015年6月 3日 (水)

『リアル鬼ごっこ』の遊び感覚

7月11日公開の園子温監督『リアル鬼ごっこ』の試写を見た。私にとってこの監督の映画は、三池崇史以上に好き嫌いに差がある。好きなのは『冷たい熱帯魚』(11)と『地獄でなぜ悪い』(13)で、思いきりふざけた映画の方が好きだ。

去年の『TOKYO TRIBE』もふざけた作品だが、これはいま一つピンと来なかった。好き放題に遊んでいるようだが、彼の映画の根底にある怨念のようなものが感じられなかった。

今度の『リアル鬼ごっこ』も、『TOKYO TRIBE』の方向の作品だろう。ホラーの要素が加わって、さらに自由自在に遊んでいるかもしれない。私は同名の原作小説もその後の映画化も知らないので、今回の映画がどのくらい原作に忠実かはわからない。しかしその脈絡のなさと残酷さや迫力の混淆は並大抵ではない。

冒頭、主人公のミツコは修学旅行のバスでとんでもない事故に会い、自分以外がみんな殺されてしまう。ミツコが教室に戻るとみんなはいたが、新たな惨劇が起こる。つぎにミツコはケイコになり、自分の結婚式の場面になる。さらにケイコはいずみになってマラソン大会に出るが、そこでも大事件が起こる。

とにかく夥しい数の女子高生が出てくる。あるいは着飾ったOLが出てくる結婚式がある。彼らが自由におしゃべりをすると、確かに不快だ。だからといって、皆殺しにしなくともとは思うけど。

男性のスケベ心をそそるシーンがいくつかある。美少女を大勢集めて、ほんの少しだけエッチなシーンを作るなんて、いかにも園監督らしいと思う。集団シーンをドローンを使って空から撮ったり、逃げる少女たちをカメラが追い回したりと見ていて恐くもなる。

学校のシーンは相当の迫力だけど、R-15で大丈夫かなとまじめに心配になった。女性しか出ない映画かと思ったら、終盤で男性たちが出てきた時の異様な感じもいい。そんなこんなで、結構楽しんだ。

考えてみたら、最近、松竹とアスミック・エースの共同配給作品の試写を立て続けに見た。6月20日公開の『愛を積むひと』に8月8日公開の『日本のいちばん長い日』で、今回の映画も含めて2社が製作もしている。毎月1本とは多いけれど、理由があるのかな。『リアル鬼ごっこ』はほかの2本のおとなしさに比べると、ずいぶん尖がっているけれど。
付記:指摘を受けて、直しました。

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コメント

いつもお間違えですが、
“園子温”ですよ。

投稿: 石田 | 2015年6月 3日 (水) 08時47分

先日、園子温監督の『新宿スワン』を見て来ましたが、作品を初期作品から見尽くした中で他の作品とは比にならないくらい刺激のないどうしようもない作品でした。そのあとにみた『国際市場で逢いましょう』は、涙しました。笑

投稿: さかた | 2015年6月 3日 (水) 09時20分

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