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2015年7月

2015年7月31日 (金)

ズビャギンツェフの新境地

今年の正月明けに『エレナの戸惑い』と『ヴェラの祈り』を立つ続けに見たので、アンドレイ・ズビャギンツェフという読みにくいロシアの監督の名前をようやく覚えた。彼の新作でカンヌで脚本賞を取った10月31日公開の『裁かれるのは善人のみ』を見た。

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2015年7月30日 (木)

田能村竹田の幸福感

田能村竹田という文人画家の名前は聞いたことがあったが、まとめて見たことはなかった。18年ぶりの個展が出光美術館で8月2日(日)まで開催というので、慌てて出かけた。江戸後半、文化・文政の時代の掛け軸が、70点ほど並んでいる。

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2015年7月29日 (水)

夏のサラリーマンの姿

いつから日本の夏のサラリーマンの姿は、みんな同じになったのだろうか。つまりグレーのズボンに白の半袖シャツ、黒の皮靴にノータイ。正確に言うと、多くの若いサラリーマンの白シャツはボタンの色が紺でボタン穴に縁取りがしてある。

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2015年7月28日 (火)

『ルンタ』でチベットを考える

『ルンタ』と言えば、私にとってはフランスの馬を使う劇団「ジンガロ」が10年前に来日した時の公演タイトルだった。チベットの僧侶が参加したもので、私が見た演劇では最高の1つ。それが「風の馬」を意味することは、当時知っていただろうか。

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2015年7月27日 (月)

無印とユニクロの時代:続き

さてある日、私は古着でいっぱいの無印とユニクロの紙袋を両手に持って出かけた。それぞれを回収してリサイクルしてもらうため。まず、無印に着くと、タオルケットを手に取って、レジに行った。何も買わないと悪いと思った次第。

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2015年7月26日 (日)

今すぐ都現美へ走れ!

昔、ハスミさんは「〇〇を見るために、今すぐ映画館に向かって駆けださないといけない」という調子の煽る文章をよく書いていた。そんな感じで、「今すぐ木場の東京都現代美術館に向かって走れ」と言いたくなった。なぜならそこで展示されている会田誠の作品が、もうすぐ撤去されるかもしれないから。

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2015年7月25日 (土)

「うらめしやー」展!

真夏の納涼に幽霊が結びついたのはいつのことだろうか。そんなことを考えたのは、東京芸大美術館で始まった「うらめしやー 冥途のみやげ」展を見たからだ。うらみがたまって化けて出た足のない女の姿をたくさん見ると、本当にヒヤリとするような怖さがある。

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2015年7月24日 (金)

『わたしに会うまでの1600キロ』の巧みさ

ジャン=マルク・ヴァレ監督は『ダラス・バイヤーズクラブ』が痛快だったが、8月28日公開の『わたしに会うまでの1600キロ』は見るのを躊躇していた。3ヶ月かけて1600キロを踏破した女性の話というのが、どうも苦手な感じがした。

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2015年7月23日 (木)

それでもパスカル・フェラン

なぜか、フランスの女性監督が大好きだ。先日ここで書いた『エデン』のミア・ハンセン=ラヴがそうだし、中堅だとクレール・ドニやパスカル・フェランがいる。実を言うと、3人とも会って話したことがある。9月26日公開のパスカル・フェランの新作『バードピープル』を見た。

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2015年7月22日 (水)

『岸辺の旅』はメロドラマだった

10月1日公開の黒沢清監督『岸辺の旅』は、今年のカンヌで監督賞を取ったこともあり、喜び勇んで試写を見に行った。結果は当たりというか、これまでの黒沢作品と違ってだんだんと情感が盛り上がる感じの映画だった。

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2015年7月21日 (火)

無縁の展覧会2つ

六本木に出たついでに見た2つの展覧会は、いずれも私に無縁のものだった。まず8月31日まで国立新美術館で開催の「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展 from1989」は、全く何のことかわからなかった。まず入口で「アイカツ!」のカード3枚の入ったビニールを渡されて唖然とする。

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2015年7月20日 (月)

『沖縄 うりずんの雨』の歴史意識

ジャン・ユンカーマン監督の『沖縄 うりずんの雨』を劇場で見た。昨年沖縄に初めて行って以来、自分が沖縄についてあまりに無知なのに気がついたので、機会があれば何でも見る。ようやく正式公開になった三上智恵監督の『戦場ぬ止み』(いくさばぬとぅどぅみ)と好対照の映画だった。

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2015年7月19日 (日)

無印とユニクロの時代

モノを捨てられない性格なので、家の中はどんどん狭くなる。大学も夏休みになったので、決心して箪笥の中を整理した。すると、黄ばんだ無印とユニクロのシャツやパジャマなどがどんどん出てきた。

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2015年7月18日 (土)

『螺旋銀河』の奇妙な魅力

9月26日から公開される『螺旋階段』を見た。草野なつかという女性監督の第一回長編だが、あまり新人の作品は見ない私が見ようと思ったのは、チラシに上野昂志、山根貞男といった面々がコメントを寄せていたから。

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2015年7月17日 (金)

トロント映画祭にコンペが

一昨日、映画関係者と話していたら、「トロント国際映画祭にコンペができるという話があったが、どうなったかなあ」と言う。へえー、と思っていたらその日の夜にトロントの映画祭事務局からリリースが来ていた。今年から「プラットフォーム」という名のコンペを作るという。

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2015年7月16日 (木)

舟越保武の静謐さ

もともと彫刻は苦手だ。美術館の庭やロビーに飾りのように置いてあるのがピンと来ない。ましてや役所や駅前にまである「平和を祈る少女像」のようなものを見ると、気持ちが悪い。それでも個展を見たらおもしろいかもしれないと思って、練馬区立美術館で9月6日まで開催の「舟越保武彫刻展」を見た。

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2015年7月15日 (水)

老いたシュワルツネッガーを楽しむ

最近は余裕もできて、話題の映画は何でも見る。とうとう『ターミネーター:新起動/ジュニシス』まで見に行った。このシリーズは最初の『ターミネーター』が1984年で、当時は見ていないが数年後にテレビで見たはず。

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2015年7月14日 (火)

『バケモノの子』の描く渋谷

細田守監督は『おおかみこどもの雨と雪』がかなり好きだったので、『バケモノの子』を劇場に見に行った。もともとアニメは見ない方だったが、大学で教えているとそうも言えない。それにここ数年話題作を見ていると、だんだんおもしろくなった。

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2015年7月13日 (月)

「これからの美術館事典」展をどう見るか

竹橋の東京国立近代美術館で9月13日まで開催の「これからの美術館事典」展が何とも興味深かった。「国立美術館コレクションによる展覧会」が副題で、「NO MUSEUM, NO LIFE」がキャッチコピー。ここでも書いた最近の東近美らしいスノッブなものかと思ったが、そうでもなかった。

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フランスの日本映画

私がパリにいた1980年代半ばは、日本映画の新作といえば、大島渚と今村昌平くらいだった。映画好きのフランス人が見ていたのは、『戦場のメリークリスマス』と『楢山節考』。それがいつの間に北野武や是枝裕和になったのか。それを知りたくて、日仏会館にファブリス・アルデュイニさんの講演を聞きに行った。

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2015年7月11日 (土)

さすが瀬々監督

いまだに『ヘヴンズ ストーリー』(2010)が21世紀の日本映画で一番好きな私は、瀬々敬久監督の映画が公開されると見たくなる。『ストレイヤーズクロニクル』の予告編を見ておもしろそうだと思ったが、監督名が出てなかったように思う。ともあれ、ようやく劇場で見た。

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2015年7月10日 (金)

風刺画で見る黄禍論

パリでシャルリー・エブド襲撃事件があったのは今年の1月だが、その時から考えていたのは、いわゆる「黄禍論」もまた、雑誌の風刺画だったはずだということ。黄禍論は、19世紀末にヨーロッパで始まったアジア人排斥思想を指す。

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2015年7月 9日 (木)

オズペテク映画の感情のほとばしり

『あしたのパスタはアルデンテ』(10)でようやく日本でも知られるようになったフェルザン・オズペテクは、トルコ出身でイタリアで活躍する監督。春のイタリア映画祭でも上映された『カプチーノはお熱いうちに』が9月に公開されるというので、試写を見に行った。

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2015年7月 8日 (水)

「うっかり」から認知症へ

先日「朝日」を読んでいて、日曜の読書面でギクッとした。認知症予防をめぐる本を紹介するエッセーがあったが、それを書いているのは、軽度の認知症にかかった「週刊朝日」の山本朋史編集委員だった。見覚えのある彼が、認知症の予防トレーニングをしている痛々しい写真まである。

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2015年7月 7日 (火)

三菱の暁斎とは

三菱一号館美術館は、主にフランス美術を展示するのかと思っていた。高橋館長はフランス美術の専門だし、その企画もマネ展やシャルダン展などちょっと渋いフランス美術展が多かった。ところが最近、河鍋暁斎の展覧会が始まった。

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2015年7月 6日 (月)

『ラブ&ピース』は久々の当たり

園子温は長年マイナーな監督だったのに、数年前から突然映画を量産し始めた。しかし同じ多作な監督でも、どの作品もあるレベル以上に仕上げる三池崇史と違って、出来不出来にかなり差がある。『ラブ&ピース』は「毎日新聞」に高橋諭治さんが「ここ数年における園子温のベスト!」と書いていたので、劇場に見に行った。

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2015年7月 5日 (日)

巨匠監督のトンデモニッポン

かつては、日本で見られない外国映画を見るには海外に行くしかなかった。だから30年前に私はパリに留学したが、今ではアマゾンのワンクリックで、1週間もすればDVDが外国から届く。最近見たのは、フリッツ・ラングの『ハラキリ』(1919)とマックス・オフュルスの『ヨシワラ』(37)で、共に巨匠が描くトンデモないニッポンとして知られる映画。

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2015年7月 4日 (土)

『きみはいい子』に流れる空気

呉美保監督の『きみはいい子』を劇場で見た。彼女の前作『そこのみにて光輝く』はみんなが絶賛していたが、個人的には微妙な感想を持った。力作だが、演出が文学的過ぎはしないかと思ったのだ。

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2015年7月 3日 (金)

古典に驚く:その(3)『映画とは何か』

アンドレ・バザンの『映画とは何か』は、小海永二訳の4巻本を持っていた。1984年にパリに留学して原著を文庫で買った私は、翌年帰国してからこの翻訳を少しずつ揃えた。確か3冊は普通に買えたが、1冊は絶版で早稲田の古本屋で買ったと思う。

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2015年7月 2日 (木)

『ソ満国境 15歳の夏』の使命感

8月1日公開の松島哲也監督『ソ満国境 15歳の夏』を見た。今年は戦後70年だが、この映画は終戦直後にソ満国境で彷徨った新京第一中学生150人を描く。そればかりか、それを現在の福島の仮設住宅に住む中学3年生たちと結んでいる。

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2015年7月 1日 (水)

間違えて見た『貸間あり』

昔から、勘違いが多い。大学に移ってからはアポの数が減ったこともあって、行き当たりばったりでダブルブッキングもザラ。試写の日や場所を間違えることは何度もあり、先日は何と、フィルムセンターで見る映画を間違えた。

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