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2015年7月18日 (土)

『螺旋銀河』の奇妙な魅力

9月26日から公開される『螺旋階段』を見た。草野なつかという女性監督の第一回長編だが、あまり新人の作品は見ない私が見ようと思ったのは、チラシに上野昂志、山根貞男といった面々がコメントを寄せていたから。

見てみると、どちらかと言えば苦手なタイプの映画だったが、奇妙な魅力があった。苦手と書いたのは、ふたりの若い女性がえんえんと会話を続ける抽象的なドラマだったから。

シナリオ学校に通うOLの綾は、ラジオドラマに選ばれるが誰かと共同で脚本を書く必要があると言われ、会社の同僚で彼女に近づいてきた幸子を選ぶ。地味な幸子は派手な綾を気にいってしまうが、綾はそれを嫌がる。対照的なふたりには、実は共通の知り合いの男性がいた。

そもそも主人公たちが何の仕事をしているかもわからないし、シナリオ学校の先生はどう見てもまともじゃない。途中から現れる男性も何を考えているかわからない。唯一わかるのは幸子が綾を好きなことだけで、何と同じ柄のシャツや似たような赤いコートを買う。

途中からなぜかコインランドリーが出てきて、それがラジオドラマに絡んでくるあたりから、映画らしい雰囲気が立ち上がってくる。コインランドリーがだんだんと興味深い存在に見えてくる。そしてラジオドラマを演じるに至って、主人公のふたりの女性が魅力的に映る。

希薄な人間関係、意味不明の女性心理、社会性のない抽象的な構成など、いかにも最近の若い監督の映画らしさがいっぱいだけど、女性たちの描き方にはどこか飛び抜けた強い意志が感じられる。次の作品が楽しみだ。

この映画はユーロスペースでレイトショーらしいが、最近はレイトショーは見なくなった。早寝早起きで、とても夜の9時から映画は見られない。だからこうした新人の映画を何本も見逃している気がする。朝10時からのモーニング上映ならいいのだけど。

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