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2015年7月15日 (水)

老いたシュワルツネッガーを楽しむ

最近は余裕もできて、話題の映画は何でも見る。とうとう『ターミネーター:新起動/ジュニシス』まで見に行った。このシリーズは最初の『ターミネーター』が1984年で、当時は見ていないが数年後にテレビで見たはず。

その頃はフランスかぶれだったので、こういうアメリカそのもののような映画は劇場では見なかった。その後、シリーズは4本目まで製作されたが、全く見ていない。

そういうわけで今回初めて映画館で見たが、正直に言ってしまえばたいして面白くなかった。少し前の『マッドマックス』最新作が抜群に楽しかったのとは大違い。何がつまらないかというと、不死身のターミネーターたち(イ・ビョンホンもその1人)と人間との戦いがあまりに単調だった。

そのうえ設定がわかりにくい。2029年から1984年に戻って、抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーが生まれないようにするターミネーターにカイルが戦いを挑む構造は同じだが、そこになぜかジョン・コナーまでやってきてターミネーターになってしまう。そのうえ、1997年の「審判の日」に行こうとするが、なぜか2017年に変更されるあたりもわからない。

それでもおもしろかったのは、老いたシュワルツネッガーの存在そのもの。1984年に戻ったと思うと、CGで作られた若い頃のシュワルツネッガーに、老いた彼自身が対決するからおかしい。「アイ・ウィル・ビー・バック」とか「私はポンコツだが、くたばっていない」とか「アップグレイドしたんだ」とかユーモラスに話しながら、ジョンの母のコナーを「おじさん」として守る。

肉体派のアイコンだったのに老いてしまった自分に照れるような感じが何ともいい。ガッと歯を見せて笑うけれど、「こわいんだけど」It's disturbingとカイルに言われてしまうし。

もうひとつ、2029年に万能コンピューターの「スカイネット」が、全員がタブレットを持つ形で表現されていたのが興味深かった。2017年ではそれをサイバーダイン社が独占している。グーグルやアップルのような1社があらゆる情報を独占し、みんながその指令に従う姿は想像しやすい。

映画を見終わって地下鉄に乗ると、みんながスマホを出して真剣に指を動かしている。これは過去に戻ってやり直した方がいいのではと思った。

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