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2015年7月26日 (日)

今すぐ都現美へ走れ!

昔、ハスミさんは「〇〇を見るために、今すぐ映画館に向かって駆けださないといけない」という調子の煽る文章をよく書いていた。そんな感じで、「今すぐ木場の東京都現代美術館に向かって走れ」と言いたくなった。なぜならそこで展示されている会田誠の作品が、もうすぐ撤去されるかもしれないから。

実は私も、都現美恒例の夏の子供向けの展覧会に会田誠が参加していることさえ知らなかった。昨朝読んだ「朝日」の社会面に、観客から抗議があって撤去されるかもしれないと書かれていたので、急遽行くことにした。本当ならば暑いので、自宅で一日中原稿を書こうと思っていたのに。

こんなことで焦って見に行こうとするのは、やはり新聞屋根性がまだ残っているからかもしれない。いずれにしても16時を過ぎて少し涼しくなってから出かけた。問題の展覧会は「ここはだれの場所?」と題されている。副題は「おとなもこどもも考える」なので、あながち子供向けだけではなさそうだ。

最初にあるのはヨーガンレールの展示で、予想以上に良かった。去年亡くなったこのファッション・デザイナーは石垣島に住んでいたが、そこに流れてくるプラスチックなどの廃物を集めた作品を作っていた。これが何とも色彩が豊かで造形的にもおもしろい。生きていたら、現代美術家として活躍できたのにと思う。

さて次が問題の会田誠の展示。これは妻の岡田裕子と子供の寅次郎の3人家族の共作の形を取っている。まず部屋に入って、そこだけに異常に観客がいることにびっくり。目立つのは天井から下げられた垂れ幕で、「檄 文部科学省にもの申す」と大きく墨で書かれている。

そこに書かれている内容は、もっと教師の数を増やせとか、給食をゆっくりたべさせろとか、運動会や組体操をやめさせろとか、教科書検定をやめろとか、道徳教育をやめろとか、大学で哲学を教えないのは愚かで、小学生から教えてもいいくらいだとか、極めて真っ当なことばかり。

そして一番おもしろいのは、奥にあるスクリーン。会田誠が安倍首相に扮して、ヘタな英語でスピーチをしている。内容は「世界のみなさん、鎖国をしましょう」というもので、その理由をたどたどしい英語で述べる。このまわりには20人近くの観客が10分以上の演説を最後まで聞いていた。

そのほか母が作るお弁当をからかったり、女子の体操を皮肉ったり、なかなか楽しい。あくまで会田家の考えだから、別に撤去する必要はないと思うが、たぶん総理官邸からもチェックがはいるだろうから来週中にはなくなるかもしれない。

そのほか岡崎乾二郎の展示は「こどもしか入ることのできない美術館」で、本当に入れなかった。またその後のフィリピン出身のアルフレド&イザベルの展示はまあまあという感じ。

展覧会としては極めてまとまりのないものだが、とにかく早く見ないと撤去されそうだ。今朝の「朝日」社会面にも続報があって、やはり2点の撤去要請があったという。それに対する会田の反論がブログにあるというので、探したらすぐに出てきた。これは全面対決になりそうだ。普通に考えると、明日月曜の休館日に撤去されるから、見られるのは今日までか。

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