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2015年7月29日 (水)

夏のサラリーマンの姿

いつから日本の夏のサラリーマンの姿は、みんな同じになったのだろうか。つまりグレーのズボンに白の半袖シャツ、黒の皮靴にノータイ。正確に言うと、多くの若いサラリーマンの白シャツはボタンの色が紺でボタン穴に縁取りがしてある。

少なくとも10年前は、そういったシャツはフランスやイタリア製かそれを真似た国産で、お洒落だった。シャツの色も形も縁取りの仕方や色もさまざまだった。ところが今ではユニクロや紳士服の青山のような店に、同じような中国製の白シャツが大量に置いてある。価格も3000円前後と安い。

昔は服装に差があった。オシャレな人は暑くてもネクタイをして、上着を手に持って歩いていた(私もそうだった)。別のタイプの人はコムデギャルソンの黒一色だったり、あるいはアロハシャツを着たり。一方で真っ白な開襟シャツのおじさんも多かった。ところが今では地下鉄に乗ると、ほとんどの男性が同じ格好をしている。

理由はいろいろあるだろう。単純に温暖化で10年前より暑くなった。それからエネルギー危機が叫ばれて、「クールビズ」の言葉ができたのが小泉内閣の2005年。室内温度を28度にする代わりにノーネクタイでOKという、政府主導だった。

さらに、経済のグローバル化もある。ユニクロなどが「ある程度のデザイン」を中国やベトナムなどで大量生産することが可能になった。そして社会格差の拡大で、普通の会社員さえも将来が不安になって、服装に金を使わなくなった。

そんなこんなで、みんなが服装で個性を主張しなくなった。三宅一生さんは2009年の春にある食事会で一緒になった時、「もうダメです。ファッションの時代は完全に終わりました」と言っていた。特に男性用の服が今世紀になってパタリと売れなくなったという。「かつての背広にネクタイよりも、自分の服の方がよほど涼しいのに」とも。

たまに朝の満員電車に乗ると、実に汗臭い。それも、酢のようなこもった匂いがする。これは間違いなくシャツの下に下着を着ているせい。汗を下着が吸うから表のシャツには出にくいが、それが中でこもって嫌なにおいになる。実は私も長い間そうしていたが、ある時下着を止めたらずいぶん爽快になった。

とにかく、男性がみんな同じ格好をしている国はヘンだと思う。ましてやその大きな理由が政府主導のクールビスならなおさら。ところでもっと昔、「省エネルック」といって、半袖の上着があって羽田首相などが着ていたが、あれはどこに行ったのだろうか。


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