初めて集中講義に挑戦中
かつて福岡で大学生だった頃、集中講義というのがあった。毎年、東京や関西からほかの大学の教授に1人来てもらい、1週間講義を受けるというもの。だいたい、いつも習っている先生方がカバーできない分野を専門とする教授がやってきた。
まさかそんな先生の1人に自分がなるとは思わなかった。この月曜から関西の大学で初めて1週間の集中講義をしている。これがなかなかいい。
教えているのは大学院なので、たったの4名ほど。美学系の大学院で映画、映像を専攻している学生たちだ。朝10時から12時まで教えて、一緒に昼食を取る。13時から再開して、14時半ごろ休憩。10分ほど休んで16時頃まで。1日だいたい5時間くらいやる。
いつも教えている学生だと、お互いがわかっているからラクな面もあるが、初めての学生だと何となくいい面だけを見せようとする。学生もたぶんそうだろう。毎日会っているので4人ならすぐに顔と名前が一致するが、たぶんお互いにいい人に見える。
学生にとっては、私のような変わったキャリアの教師は珍しいから、昼食の時も根掘り葉掘り聞いてくる。私もその大学のことも関西のことも知らないから、何でも聞く。何となくいい感じの関係だ。
そして毎晩飲みに行く。これには、専任の先生や助手などが参加することもある。初日の夜は、旧知の近くの大学の先生まで来てくれた。毎晩飲むごとに、少しずつお互いを知り、親しくなる。先日は、授業が終わって飲み会までの間に、学生たちと美術展を見に行った。
全く知らなかった土地で、毎日同じ時間に通勤するのも新鮮だ。駅の名前を憶え、不思議な駅名をおもしろがる。「小林」を「おばやし」と読むとは。東京で聞くといやな関西弁が、ここでは何とも優しく魅力的に聞こえる。短期滞在者には不思議な美化作用が働くようだ。
そんなこんなでこの集中講義も明日まで。さて何を教えているのかは、やはり秘密にしておこう。
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