« 映画祭中の読書:『プロパガンダ戦史』 | トップページ | ガーンとする一言 »

2015年11月12日 (木)

京都で見る琳派展

今年は関西に行く仕事が多かったが、その締めくくりで京都に行った。朝、早めに出て見たのが、「琳派 京(みやこ)を彩る」展。目玉は《風神雷神図屏風》の宗達、光琳、抱一作の三対揃い踏みが1週間だけ見られるというものだが、幸か不幸か、私が行った日は終わったばかりだった。

もしその期間中だったら、入場に2時間待ちだったらしいので、私は入れなかった。その意味では私にとってはラッキーだった。平日の午前中だったが、それでも年配の女性客を中心にかなりの混雑だった。

琳派と言えば、2008年の東京国立博物館での「大琳派展」も見ているし、出光美術館での何度かの琳派展や千葉市美の「酒井抱一展」も見ている。それでも京都での琳派展というと、心が躍った。副題は「琳派誕生400年記念」で、これは琳派の創始者、本阿弥光悦が京都で光悦村を開いて活動を始めた年から400年という意味らしい。

従って、前半は光悦の書がたっぷり展示してある。個人的には書はよくわからないが、光悦による笛や硯箱といった蒔絵の工芸、あるいは楽焼の茶碗を見ていると、だんだん心が高ぶってくる。そして光悦の書と宗達の絵が組み合わさった屏風や下絵にはびっくりした。

中でも2人の共作の《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》(全期間展示)は、13.56メートルに及ぶもので無数の鶴が地面から飛び立ち、再び大地に戻るまでを描くダイナミックなもの。金、銀、泥の3色のみで一見地味だが、そこに和歌の墨の文字が加わって、何とも言えない有難みが出てくる。これを全図展示してあるので、行きつ戻りつ見飽きなかった。

もちろん宗達特有の金を塗り込んだ絢爛豪華な屏風や襖絵もある。《芥子図屏風》も《草花図襖》などはこの博物館所蔵のせいか、全期間展示だった。あるいは作者不詳の《藤袴図屏風》(後期展示)なども素晴らしい。伝宗達の《蔦の細道図屏風》は最近根津美術館で見たが、また見られるとは思わなかった。

《風神雷神図》は光琳のものがなくて、宗達と抱一が見られた。抱一と言えば《夏秋草図屏風》が見られたのも嬉しかった。これは光琳の《風神雷神図》の裏に描かれたもので、銀を中心にした江戸らしい洒脱さが際立った傑作だ。光琳の《秋草図屏風》や《夏草図屏風》もあったが、これらと比べるとその渋さがよくわかる。

京都の展覧会なので江戸で活躍した抱一や其一は少なく、その一方で尾形乾山の陶器を始めとして小袖や硯箱などの工芸品も多かった。京都ならでは琳派展だったと思う。11月23日まで。

|

« 映画祭中の読書:『プロパガンダ戦史』 | トップページ | ガーンとする一言 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/62661693

この記事へのトラックバック一覧です: 京都で見る琳派展:

« 映画祭中の読書:『プロパガンダ戦史』 | トップページ | ガーンとする一言 »