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2015年12月28日 (月)

久しぶりの現美

久しぶりに木場の東京都現代美術館に行った。「朝日新聞」朝刊一面の鷲田清一「折々のことば」で、開催中の「オノ・ヨーコ」展の図録から言葉が引用してあって、急に見たいと思った。「ひきこもりの子供のことをニューヨークで聞いて、アジアの子供らしい革命だと喜んだり」

現代日本の問題の一つ、「ひきこもり」を外の視点からポジティブにとらえて、「アジアの子供らしい革命」と喜ぶところが、さすがオノ・ヨーコ。アーティストらしいというか、無責任というか。

オノ・ヨーコの展覧会は、2003年に同じ美術館で開催されていたが、正直なところ私にはピンと来なかった。メッセージ性が前に出過ぎて、造形的な美しさが見出しにくかった。この時はたぶん最近の作品が展示されていたと思うが、今回はオノの東京での活動に絞っている。

最初は最近の作品が並ぶが、それから一挙に1969年のジョン・レノンとの「WAR IS OVER! IF YOU WANT IT」や、1974年のコンサートへ行く。

それからさらに1962-64年の来日時の一連のイベント。写真やビデオがあるが、圧巻なのは手書きで詩のような言葉が書かれた膨大な葉書の展示。英文もある。画廊の案内状もハガキ大。そして10代の手書きの詩や絵。

やはりわからない。それでもこの女性はある信念を持って自分の道を突き進んでいることは伝わってくる。それは10代から80過ぎの今までブレていない。ジョン・レノンに出会っても出会わなくても、生まれながらの前衛芸術家なのだろう。

もう1つの企画展「東京アートミーティング Ⅵ "TOKYO"」は何を見ればいいのだろうか。冒頭の80年代前半のYMOの展示は懐かしかったけれど。そもそも「東京アートミーティング」という題が恥ずかしいし、「見えない都市を見せる」というキャッチが傲慢だと思う。

その後に常設展を見て、すっきりした。とりわけ3階では日本の戦後美術の造形性と政治性を追求した作家たちの軌跡が美しかった。中西夏之の63年の洗濯バサミの絵画が、80年代や90年代の静かな絵と呼応する。

池田達雄も桂ゆきも良かったが、中村宏の列車をテーマにした一連の作品に震撼した。そして奥には菊畑茂久馬の《奴隷系図》が鎮座していた。この4人を小さな仕切りを使って大きなフロアーに並べた展示も良かった。

そして最後の部屋の工藤哲巳の4点を、宮島達男の赤い発光ダイオードの数字を背景に見た。ソファがあったので、しばらく眺めていたが、この組み合わせは未来的で秀逸。

1階の展示も良かったが、作家数が多いせいか少し混乱気味でここにうまくまとまらないので、今日はここまで。

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