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2015年12月29日 (火)

日韓問題を考える朝

慰安婦問題で、日韓両政府が合意に達したという。これが今後どういう展開を見せるかはわからないが、まずは歓迎というところ。最近、日韓問題を考えるうえで、気になる文章が2つあった。テッサ・モーリス=スズキと平田オリザのもの。

モーリス=スズキは数日前の「朝日」に載ったインタビューで、現代の日本人が謝罪をする必要があるかという質問に関して、英国生まれで豪州に住む自分のことを語る。つまり、18世紀の英国がアボリジニの土地を収奪して移民をした歴史を、自分はどう考えるかということだ。

「自分には罪や責任があるかとモーリス=スズキさんは自問し、「罪はないがインプリケーションはある」との結論に達した。インプリケーションは新たな概念で、「連累」と邦訳した。「直接関与していないにもかかわらず『自分には関係ない』とは言えない。そんな過去との関係を示した概念です」と話す。
連累とは「事後の共犯」的な関係だという。」

「インプリケーション」=「連累」=「事後の共犯」とは初めて聞いた。確かに自分に責任はないが、どこかに後ろめたさがある気分を表すのにいいかもしれない。そして続く。

 「歴史事件そのものに対して戦後生まれの個人が謝罪する必要は原則ないと思う。ただし国家は連続性のある存在であり、謝罪すべきです。また国民には、謝罪するよう政府に求める義務があります」

平田オリザの方は、講談社のPR誌「本」の連載「下り坂をそろそろ下る」で何度か日韓関係に触れている。彼が韓国公演を行った『新・冒険王』のテーマが2つあったという。

・日本はアジアで唯一の先進国の座から滑り落ちたことをまだ受け入れられない。
・韓国は、先進国の仲間入りをしたことに、まだ慣れていない。

何となく、この2つを克服したら、大方の日韓問題は解決しそうな気がしてきた。連載の題のように、日本は「下り坂」ということを認めて、「そろそろ下る」意識を持てばいい。

韓国について、平田は「客観的に見ればすでに立派な先進国であるはずの韓国と韓国人が、対外的には先進国であるアピールをしながらも、実際の国民感情としては、自分たちは先進国だとは思っていない」と書く。

もう1つ思い出した。ギ・ソルマンというアジアにくわしいフランスのジャーナリストに数年前に「なぜ日本は韓国や中国にまだ敵視されると思うか」と聞いたら、「戦争で負けたのに、アジアで日本だけが先進国入りしたから。大いなる嫉妬だ」と答えた。

中国も韓国もGDPレベルではもはや先進国。だんだん嫉妬をやめて先進国らしい行動をするだろうし、我々日本人はそこから少しずつ下っていく意識を持てばいい。「連累」の心を持ちつつ。

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