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2015年12月 7日 (月)

また「007」を見る

もともと「007」は劇場では見ていなかったし、前作の『007 スカイフォール』を劇場で見てあまりピンと来なかったけれど、『007 スペクター』を見に行った。たぶん東京フィルメックスやフィルムセンターの韓国映画特集など地味なアジア映画ばかり見ていた反動かもしれない。

今回は前回に比べると、ボンドの強さというか、不死身な感じが強調されているうえに、一瞬で女にもてる。全体にお気楽が溢れていて、「スパイ大作戦」の感じが強う。

冒頭のメキシコ・シティのシーンは良かった。「死者の日」のお祭りのなか、ダニエル・クレイグのボンドが女性とコトに及ぶかと思いきや「ちょっと出てくる」と窓から飛び出して、いくつものビルの屋上を走る。窓の向こうのイタリア語を話すテロリストたちに射殺し、生き残りを群衆のなかで追いかける。

ここまでは最高だったのに、ローマに飛んで殺した男の未亡人(モニカ・ベルッチ)を誘惑して、「スペクター」の総会の場所を教えてもらうあたりから、どんどんご都合主義になる。その秘密会議でクリストフ・ヴァルツ演じる親分が現れ、そこで鍵を握るのはホワイトとわかる。

ウィーンのホワイトにたどり着くと彼は自殺し、ボンドはその娘を追ってなぜかスイスの山奥の病院へ。レア・セドゥ演じる娘のマドレーヌと出会って誘惑し、雪山での軽飛行機と車のチェイスを経て、なぜかモロッコのタンジェへ。そこでも派手な爆破をして、列車でのアクション。

敵を殺した後にレア・セドゥが「これから何をする」と言うと、2人で部屋に飛び込んでキスが始まるあたりが、いかにも007らしい。男は強いゆえに女にもてるという、究極のマッチョ。

英国での諜報機関の再編成の背景はずいぶんテキトーだし、新しいボスがスペクターと協力しての東京での会議は何ともいいかげんでそもそも東京で撮影していない。肝心な場面での最終兵器が、時計(オメガのロゴがしっかり写る)に仕掛けた爆弾というのも、ずいぶん子供だましではないか。

何より、メキシコやモロッコで派手などんぱちを繰り広げているのが、今の世界情勢を考えるとずいぶん能天気に見える。マッチョとエキゾチズムの旧時代の産物をあえて堂々と見せるところが、007たるゆえんだろう。それでもテンコ盛りの展開で、2時間28分退屈しないところはさすがにサム・メンデス監督。

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» 007 スペクター Spectre さよならクレイグ・ボンド。 次作でのシリーズ・リセットを、静かに、待つ… [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
007新作「スペクター」 を先行公開の初日に 鑑賞。 実は「スカイフォール」 も初日にみた。 前々作「007 慰めの報酬」は、予告編でやや期待が高まり過ぎた結果か、いい印象がなかった(ちょっと悩ましい新作。2009年01月24日アップ) このため、事前情報を極限までデ...... [続きを読む]

受信: 2015年12月 8日 (火) 19時50分

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