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2016年1月28日 (木)

大使館に来た人々

先日フランス大使館にビザの申請に行ったが、そのビザセクションの待合室にいた人々が何とも興味深かった。まず、私の近くにいたブロンドの美人が妖艶すぎてどこか変だなと思った。

40歳前後であろうか。ピチピチの虎模様のパンツに高いヒール、そして黒のセーターは思い切り胸の大きさを強調している。そして高そうな毛皮のコート。化粧はドギツイ。一言で言うと、高級コールガール(会ったことないけど、映画に出てくる)のようだった。

係りの女性が「マダム・フガ」か「クガ」と呼んだ。私は「コガ」の間違いかもと思って立ったが、私に向かって「あっ、女性の方です」と言うので、退いた。その女性は「日本語でお願いします」と言って、日本語で話していた。勝手な想像だが、ロシアの高級娼婦が、日本を経由してフランスに行く、という感じだった。あるいはフランスに住む日本人ジゴロのもとに行くのか。

その女性の面談は長かった。たぶん20分以上はかかったと思う。私は「これはますます怪しい」と思って彼女を注視していたが、とうとうお金を払って指紋を取り始めたから、うまく行ったようだ。終わると見られていたのを知ってか、なぜか私に手を振ってニコリと笑って出て行った。

その横の窓口には、まじめそうな日本人女性とあんちゃん風のフランス人男性がいた。私が着いた時に審査が終わったようで、男はフランス語で「ほら、君もやっとビザが取れたよ。僕が手伝ったからね。ブラボー!」とはしゃいでいたが、女は小さな声で「ウィ」と言ったきり黙った。私は思わず「この男はやめた方がいい」と言いたかったが、もちろん黙っていた。あの2人はフランスで破綻するのではないか。大きなお世話だが。

私の直後に来た若くて背が高くハンサムな男性は、日本人と思ったが、警備の人と中国語なまりの英語で話していた。窓口でも英語で通している。香港マフィアの子息が日本経由でパリに行く感じ。それは映画の見過ぎか。

私の前に入った若い日本人女性はガチガチに緊張していた。就職試験のような恰好をして立ったままだった。しっかり両手に持っていた手紙を盗み見すると、リヨンの料理学校のようだった。「大丈夫ですよ、パリと違ってリヨンは優しい街ですから」と言おうと思ったが、もちろんやめた。

私は待ち時間30分ほどで、審査は5分ほどで済んだ。今の時期にフランスに長期滞在しようとする人々は、変な人が多いのかもしれない。キョロキョロしている挙動不審の自分も含めて。唯一まともそうな料理修行の女性は、このまままじめに頑張って欲しいと思った。

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