男が化粧品を使うなんて
男性用化粧品については、男同士でもめったに話さない。顔を洗うのに何か使うのか、洗顔後に顔に何か塗るのか、髪に何をつけるのか。実は私は、長い間石鹸とシャンプーしか使ってこなかった。
男性の兄弟がいなかったからかもしれないが、高校1年生の半ばに一人暮らしを始めてから、石鹸で体を洗い、シャンプーで頭を洗えば十分だった。最初はシャンプーももったいなくて、石鹸で髪を洗っていたが、それを続けていると髪が本当にパサパサになったので、さすがにシャンプーを買った。
いつ頃からか髭を剃り始めた。これも石鹸で十分だが、その後がヒリヒリするので、アフターシェーブローションなるものを買うようになった。たぶんこれが化粧品の最初だが、長らくそれ以外は使わなかった。
1人で旅行する時も、石鹸とシャンプーと髭剃りとローションがあれば十分だった。おそらく30代半ばまでは、髪にも肌にも何もつけていなかったのではないか。「男が化粧品を使うなんて」という昭和の男のマッチョ的発想がどこかにあったのかもしれない。
最初は、たぶん海外に行った時に免税店で買った香水だろう。女性の土産に買うのに、自分用にも買ってみた。それからだんだんと、洗顔用クリーム、髭剃り用クリーム、顔用のローション、髪用の整髪クリームまで使うようになった。
これでも女性に比べたら簡単なものかもしれない。香水以外は1000円以内の安物だし。今では顔や髪に何もつけないと、本当にパサパサでみっともない。若い頃はたぶん体全体に油のようなものがあったのだろうが、今はもう干物に近づいている感じ。
そんなことをふと思ったのは、あと2ヶ月ほどでフランスに半年行くことになり、何を持っていくべきか時々考えているから。30年前に学生で行った時は「そんなものはフランスで買えばいい」だったが、今は不安なので全部日本製を持っていこうと考えている。
最初に男性同士では話さないと書いたけれど、大学のトイレの鏡の前で何分も髪をいじっている学生を見ると、今の若者は違うのかもしれない。彼ら同士で情報を交換している気がする。服装も自分たちの時に比べたら何倍もカッコいいし。
外から見たら完璧な中年のおやじだが、心の中は実はあまり変わらない気がしている。それでもたまに鏡で自分の顔の肌を間近に見ると、「老い」を感じる。
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