もうすぐパリに行きます:その(1)キンドルを買う
パリに半年行く話はここに何度も書いたが、いつか書いていなかった。最近、「あれっ、まだ日本にいたの」と言われることも増えて、まるで狼少年みたいなってきたので、書いておく。出発は3月22日。
昔、『文学部唯野教授』という筒井康隆の小説があった。このなかに、海外に1年研修が決まったが、実は外国は嫌いなのでこっそり国内に潜む教授が出てくるけれど、私の場合は本当に行く。
昨年の11月にネットの不動産でアパートを決めて、その写真を友人などにスマホで見せているうちに自分でも行った気分になっていた。だけど本当にはこれからだと最近になって思い始めた。
1984年7月、大学4年生の時にフランスに1年留学した時は、何も怖くなかった。翌日の下着だけ持っていって、すべては現地調達にした。そうやって、言葉を学び、国に溶け込むのだと自分に言い聞かせていた。ところが今回はそうはいかない。年をとると、保守的になる。
まず一番悩んだのが本。私は手元に本がないと落ち着かない。移動の際は、必ず1、2冊の本を持つ。32年前は、フランス語の本を買えばいいと思ったが(実際に大量に買ったがいまだに読んでいない本がたくさん)、今はフランス語は読めても日常的に読むのは新聞だけでいい。
最初は、読んでいない厚い本を10冊ほど持っていくつもりだった。小津安二郎の『蓼科日記』とか蓮實重彦の『「ボヴァリー夫人」論』とかピケティの『21世紀の資本』とか。しかしこれは重いし、10冊はひと月で読んでしまう。
ある時、ふと電子書籍を思い立った。もちろんタブレットを買えばいいのだが、友人が持っているアマゾンのキンドルが気になっていたので、買ってしまった。
キンドルが日本で出たのが2012年だから、私は4年遅れ。ワープロも携帯電話もパソコンもスマホも、私が買ったのは、だいたい3~5年遅れだった。おおむね、その頃には使いやすくなっている。
キンドルを買ってみると、これは便利。まずパッケージもキンドルそのものも美しい。これはアップル社の製品に近い。そして使いやすい。文字の大きさも気分によって調整できるし。
とりあえず、無料の青空文庫で、漱石や鴎外などを手当たり次第に買った。あるいは200円で、荷風全集も買った。目次から読みたい作品に行けるのがいい。それからプルーストの『失われた時を求めて』の角田光代、吉川泰久訳のサンプル版を読んだら読みやすかったので、2000円ほどで全編を買った。
何と、線を引いたり、コメントを書いたりできる。しばらくはこれで遊んでいる。プルーストと荷風があれば、もう安心。
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コメント
僕は、結構早くからのキンドル愛用者です。電子ペーパーなので、目が疲れません。
初代キンドルは、椅子の上において、そこに座ってしまって、おしゃかになりました。僕の知っている範囲では、電子ペーパーは小さなボール(半分ずつ白黒)を電界で反転させる方式で、電界を印加しなくても表示は維持できます。ただ、大きな力を掛けてしまうと、ボールが定位置から移動してしまって復旧は不可能と思います。上に座ったり等、大きな力を掛けないように注意した方がよいと思います。
投稿: jun | 2016年3月16日 (水) 19時30分