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2016年4月 4日 (月)

パリの生活が始まった:その(6)銀行口座の続き

銀行口座開設の話を続ける。次に、日本での年収について聞かれた。さっそく2015年の収入証明を見せると、「日本のプロフェッサーはこんなに多いのか!」。ちなみにフランスのプロフェッサー=教授は、中学や高校の先生にもいる。だから「教授」は数も桁違いに多く、日本ほど尊敬されない(日本でもされないか)。給料は大学でもさほど高くない。

給料のほかに滞在費の支給証明を見せると「日本の大学はすばらしい。僕も日本で経済学を教えたい」と目を輝かす。「日本語ができないと無理ですね」と言うと、「そうか、やっぱり」とがっかり。そしてソニー銀行ともう一つの銀行の英文の残高証明を見せると、「あなたは、実にいいお客様です!」

次は住宅について、聞かれた。昨年の11月末にネットで契約して、1か月分を払った契約書を見せると、もっと「最近のものはないのか?」「2カ月目はこれから払うから、まだない」。では契約書があると見せると、ネット契約のためにサインがない。結局、契約書や保険の証書の写しでいいことになった。

それから、いろいなデータをネット上に打ち込んでゆく。名前、住所はともかく、年収やこちらの家賃や東京の住所まで。しまいには「大学での専門分野は?」と聞く。そんなことは銀行に関係ないだろうと思ったが、「美術史」と答えた。大学の書類はすべて芸術学部教授となっているから。映画と答えると、またいろいろ聞かれそうだし。

それから、「裕福なあなたにぴったりの口座をお作りします。ついては3ヵ月ごとに16ユーロかかります」「それは高い。日本の銀行には口座維持手数料はないし、クレジットカードはお金がかかるものはあるが、私は持っていない」「でも16ユーロの下だと、ビザカードの限度額が低いし、毎月メールで明細を送るサービスもなくなります」

「そんなに言うのなら、任せますが、半年後に帰国前には簡単に解約できますね」「もちろんです。私にメールを送って会いに来てください」と名刺を出す。一生懸命やってくれているようだし、まあいいか。すると「では次にいつお会いしましょうか」「はあ?まだ何かあるのですか」「口座振込などがうまくいったか知りたいし、顧客への安いスマホも紹介したい。そして、あなたの今後の資産運用のお手伝いをしたい」

「資産運用は日本でやるので結構ですが、まあ、会うのはかまいませんけど」「では2週間後のこの日時に来てください」。全部で40分ほどか。いやあ、おもしろかった。何だか次の面会が妙に楽しみ。

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