パリの生活が始まった:その(11)毎日何を食べるのか
外食も料理も好きな私が、毎日パリで何を食べているのか。簡単に言うと、昼は1人で外でランチを食べて、夜は誰かと食べなければ家で作る。昼は12時を過ぎると、13区の自宅近くのレストランやビストロを端から順番に回っている。まず、「Alouette」(アルエット=ひばり)という地下鉄のGlaciere駅近くのビストロは、とにかく感じがいい。
ウエイターたちがユーモアたっぷりに動き回り、話しかける。着いた日の夜、2個のスーツケースが届かずに泣きそうになった時に入り、いっぺんに魅了された。出てくるのは牛を中心に鴨や豚や子羊のステーキやシチュー。牛やサーモンを生で食べるタルタルも名物。値段は昼も夜も主菜が12~16ユーロほどで、日曜も開いているので便利。
それから気に入ったのが、歩いて3分の「B Cuisine」という名のレバノン料理店。こちらは10~14ユーロほどで、肉とサラダと豆料理などがセットで出てくる。
その隣の「Bistro 13」は、小さいが感じがいい。ここは特に土曜のクスクスが名物で、メルゲーズという辛いソーセージが入ったタイプが10ユーロで、お腹いっぱい。クスクスは5分ほど歩くと「Sirocco」という高級モロッコ料理店がある。さすがにここだと17ユーロくらいからだが、その繊細さは値段の価値が十分にある。
5区の方に歩いて7分ほどの「My Tho」というベトナム料理店もうまい。生春巻きとフォーで15ユーロほどだが、十分に満足。ここは表にメニューが出ていないし、サービスのベトナム男性はぶっきらぼうだけど、悪い人ではなさそうで常連客とはうちとけている様子。
近所でもミシュランに載っているような店もあるが、これについてはまだ1軒しか行っていないので後日まとめて書きたい。それより最近気になるのは、観光地での「感じの悪さ」。オルセー美術館に日本人の友人と行った時、「アンリ・ルソー展」や常設を見て、12時過ぎに小腹がすいたので上の階のレストランに行った。
早い時間なので、運よくすぐに席が取れた。ところが注文に来た女性の命令調のフランス語に頭に来た。もちろん観光客だらけだが、それにしてもこれはひどい。料理を持ってきた男性もいかにも機械的な感じ。そして料理はファミレスレベルで、値段は自宅の近所の2倍。かつてオルセーと展覧会を準備していた頃は、館長や学芸員に何度か招待されたが、その時はずいぶん丁寧だったのに。当たり前か。
似た印象を持ったのが、5区のソルボンヌ大学そばの「Balzar」。かつては教授陣がよく集ったという有名なブラスリーだ。ここはオルセーよりはずいぶんましだが、外国人にやたらに高いメニューを勧めるのに腹が立った。周りを見ると、フランス人は昔通ったような金余りの老人たちばかりで、あとは外国人観光客。料理はさすがにそこそこおいしかったが、やはり高い。あとで調べたら、今や「FLO」チェーンに買収されているようだ。
13区という庶民的な街に住み始めたせいか、どうも観光地での食事が苦手になってきた。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- イスタンブール残像:その(5)(2024.10.06)
- イスタンブール残像:その(4)(2024.10.02)
- イスタンブール残像:その(3)(2024.09.26)
- イスタンブール残像:その(2)(2024.09.24)
- イスタンブール残像:その(1)(2024.09.20)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 高木希世江さんが亡くなった(2024.10.26)
- 「チコちゃん」に出る(2024.10.24)
- 秋に考える(2024.10.12)
- 「目まいのする散歩」の実感(2024.09.28)
- 還暦を過ぎて髪は増えるか:その(1)(2024.09.22)
コメント