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2016年4月14日 (木)

パリの生活が始まった:その(11)毎日何を食べるのか

外食も料理も好きな私が、毎日パリで何を食べているのか。簡単に言うと、昼は1人で外でランチを食べて、夜は誰かと食べなければ家で作る。昼は12時を過ぎると、13区の自宅近くのレストランやビストロを端から順番に回っている。まず、「Alouette」(アルエット=ひばり)という地下鉄のGlaciere駅近くのビストロは、とにかく感じがいい。

ウエイターたちがユーモアたっぷりに動き回り、話しかける。着いた日の夜、2個のスーツケースが届かずに泣きそうになった時に入り、いっぺんに魅了された。出てくるのは牛を中心に鴨や豚や子羊のステーキやシチュー。牛やサーモンを生で食べるタルタルも名物。値段は昼も夜も主菜が12~16ユーロほどで、日曜も開いているので便利。

それから気に入ったのが、歩いて3分の「B Cuisine」という名のレバノン料理店。こちらは10~14ユーロほどで、肉とサラダと豆料理などがセットで出てくる。

その隣の「Bistro 13」は、小さいが感じがいい。ここは特に土曜のクスクスが名物で、メルゲーズという辛いソーセージが入ったタイプが10ユーロで、お腹いっぱい。クスクスは5分ほど歩くと「Sirocco」という高級モロッコ料理店がある。さすがにここだと17ユーロくらいからだが、その繊細さは値段の価値が十分にある。

5区の方に歩いて7分ほどの「My Tho」というベトナム料理店もうまい。生春巻きとフォーで15ユーロほどだが、十分に満足。ここは表にメニューが出ていないし、サービスのベトナム男性はぶっきらぼうだけど、悪い人ではなさそうで常連客とはうちとけている様子。

近所でもミシュランに載っているような店もあるが、これについてはまだ1軒しか行っていないので後日まとめて書きたい。それより最近気になるのは、観光地での「感じの悪さ」。オルセー美術館に日本人の友人と行った時、「アンリ・ルソー展」や常設を見て、12時過ぎに小腹がすいたので上の階のレストランに行った。

早い時間なので、運よくすぐに席が取れた。ところが注文に来た女性の命令調のフランス語に頭に来た。もちろん観光客だらけだが、それにしてもこれはひどい。料理を持ってきた男性もいかにも機械的な感じ。そして料理はファミレスレベルで、値段は自宅の近所の2倍。かつてオルセーと展覧会を準備していた頃は、館長や学芸員に何度か招待されたが、その時はずいぶん丁寧だったのに。当たり前か。

似た印象を持ったのが、5区のソルボンヌ大学そばの「Balzar」。かつては教授陣がよく集ったという有名なブラスリーだ。ここはオルセーよりはずいぶんましだが、外国人にやたらに高いメニューを勧めるのに腹が立った。周りを見ると、フランス人は昔通ったような金余りの老人たちばかりで、あとは外国人観光客。料理はさすがにそこそこおいしかったが、やはり高い。あとで調べたら、今や「FLO」チェーンに買収されているようだ。

13区という庶民的な街に住み始めたせいか、どうも観光地での食事が苦手になってきた。

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