« パリの生活が始まった:その(11)毎日何を食べるのか | トップページ | パリの生活が始まった:その(12)ゆうちょ銀行口座の怪 »

2016年4月15日 (金)

アルゼンチンとフランスの新作2本

最近は中南米映画が注目されているせいか、こちらでも公開が多い。知り合いの映画評論家のジャン=ミシェル・フロドンさんがほめていたので、アルゼンチンのパブロ・アグエロ監督の「エヴァは眠らない」Eva no duermoを見た。ガエル・ガルシア・ベルナルとドニ・ラヴァンの共演というのも気になった。

映画は私には中くらいfだった。アルゼンチンで1952年に亡くなった人気抜群の大統領夫人、エヴァ・ペロン、通称エビータの神話を描いたもの。

亡くなった時のミイラを作る剥製師をめぐる話、1956年、軍事クーデター後に遺体を盗んだ男(ドニ・ラヴァンが怪演)の話、1969年に死体の場所を言わずに反政府活動家たちに殺された将軍の話、1974年にローマからエビータの遺体を移した時の将軍(ガエル・ガルシア・ベルナル)の話。

いずれも時代ごとにニュースリールが挿入されていて、興味深かった。いかにアルゼンチンの人々がエビータを愛していたかがよくわかる。しかしながら、それぞれの時代のドラマは何を言いたいのか、私にはあまりわからなかった。それぞれ室内劇だったのも、見ていて気が滅入った。

もう1つのがっかりは、ヴァンジャ・アルカンタラ監督の「心の静寂」Le coeur regulier。大半が日本で撮影されており、國村隼がポスターにも出ている。原作はオリヴィエ・アダンというフランスの作家の同名の小説だが、日本では翻訳されていない。

映画は前半はフランス(あるいはベルギー?)を舞台に裕福な夫と子供2人に囲まれながらも、どこか心に不満を抱えるアリス(イザベル・カレ)を描く。そんな時、兄のナタンがやってくるが、彼は日本で出会った久美子の話をする。「一緒に日本に行こう」と盛り上がるが、ナタンはその直後に事故で死んでしまう。

ここまでが約15分で、アリスは日本に行く。成田に着いたアリスは久美子に会う。そこでナタンの行った島の話を聞き、新幹線を乗り継いで松江駅から境港へ、そして隠岐島へゆく。

そこにいた風変わりな旅館の娘(門脇麦)や魅力的な青年(安藤政信)、そして自殺者を助ける元警官ダイスケ(國村)などと出会いながら、アリスは「心の静寂」へと向かってゆく。

要するに、不満を抱えたフランス人女性が日本で心の静寂を見つけるという話。撮影は極めて丁寧だし、日本もきちんと描かれている。それでも美的感覚だけで日本を評価して美化し、自分勝手に満足しているような気がしてならかった。門脇や國村が流暢すぎる英語を話すのもヘンだし、時おり琴などを使った和風の音楽が流れるのも気になった。

パリに住んでいるので、日本のイメージを見ると過剰に反応したかもしれないが。

|

« パリの生活が始まった:その(11)毎日何を食べるのか | トップページ | パリの生活が始まった:その(12)ゆうちょ銀行口座の怪 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/63463321

この記事へのトラックバック一覧です: アルゼンチンとフランスの新作2本:

« パリの生活が始まった:その(11)毎日何を食べるのか | トップページ | パリの生活が始まった:その(12)ゆうちょ銀行口座の怪 »