« パリの変貌:その(3) | トップページ | 映画以外のカンヌの話:その(1) »

2016年5月12日 (木)

31年ぶりのカンヌ:その(1)

1985年の留学中に参加して以来、実に31年ぶりにカンヌ国際映画祭に参加した。ベネチアは10回くらい、ベルリンだって3度も行っているのに、カンヌだけは機会がなかった。あまりに敷居が高くて、遠慮していたこともある。

今回行こうと思ったのは、もちろんパリにいたから。日本映画の海外への普及を研究テーマの1つにしているからには、その最先端の姿は見ておかないと。ところが、カンヌに参加するのは簡単ではない。

カンヌのプレスカードには5種類があり、白、ピンク+ポイント、ピンク、青、黄(とオレンジ)。いろいろな人の話を総合すると、ピンク以上でないと記者会見には入れず、上映の入場も後回しで苦労するらしい。85年の時はたぶん3種類で、白、ピンク、黄だったが、私は黄色でもあまり苦労した記憶がない。

今回来てみて驚いたのは人の多さ。たぶん5倍以上になったのではないか。だからランク付けして入場を適宜制限する。ピンクでなければ参加するのをやめようとも思ったが、カンヌに着くまで何色かは教えてくれないとのこと。

最初は朝日新聞デジタルWEBRONZAや「アエラ」で申請しようと思ったが、初めての場合(厳密には2回目だが、いかんせん昔過ぎる!)には雑誌やWEBだと青になる可能性もあると事情通に脅された。そこで八方手を尽くして、「西日本新聞」に書く確約を得た。

結果として昨日もらったのはピンクで本当にほっとした。ところが安堵したせいか、新聞記者諸氏と酒を飲み過ぎてしまい、タクシーに手帳を忘れてしまった。今回は海外に行ったこともあってたいした情報を書いていないので大丈夫だが、やはり困っている。

二日酔いのうえ、手帳をなくした状態で、オープニング作品のウッディ・アレンの「カフェ・ソサエティ」を見た。1930年代のハリウッドにやってきた青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)の恋愛と成長を前半はハリウッド、後半はニューヨークの華やかな社会の中に描く。

ウディ・アレンらしい気の利いたコメディで、ちょっとほろりと人生を考えさせるさせる瞬間もあって悪くない。ボビーの青年役のスティーヴ・カレル、恋人役のクリステン・スチュワートなどもはまり役。

上映後の記者会見で、ウディ・アレンはなぜいつもコンペに出さないのかと聞かれて、「コンペはスポーツにはいいが、アートには合わない。アートは主観の問題だから。レンブラントとピカソのどちらが上かなんて、全く意味がないだろう。映画のコンペというのは私の常識に反する」と言っていた。まるでカンヌを全否定するようでおかしかった。ほかにも審査員の記者会見でドナルド・サザーランドの毒舌ぶりが際立っていたが、これは後日。

|

« パリの変貌:その(3) | トップページ | 映画以外のカンヌの話:その(1) »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/63615328

この記事へのトラックバック一覧です: 31年ぶりのカンヌ:その(1):

« パリの変貌:その(3) | トップページ | 映画以外のカンヌの話:その(1) »