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2016年6月29日 (水)

ボローニャ復元映画祭:その(1)

ボローニャに来たのは、復元映画祭に参加し、同時に近くに住む友人に会うため。復元映画祭は何と今年で30年目というが、想像していたよりもずっと大きい。ポルデノーネの無声映画祭のような、どちらかというと専門家向けのものだと思っていた。

ここ20年ほど前から古いサイレント映画の復元版を見ると、最初のクレジットで現像がボローニャの「イル・チネマ・リトロヴァート」Il Cinema Ritrovatoでされたという表記がひんぱんに出てくる。イタリア映画のみならず、フランスやドイツ、あるいはアメリカ映画さえそうだ。

ボローニャのチネテーカは、30年前から開催している「イル・チネマ・リトロヴァート」映画祭=「復元映画祭」がきっかけで、古い映画の復元現像技術が世界一となったようだ。だからこの映画祭はどんなものか、この目で見たかった。

会場はボローニャのチネテーカが中心だが、映画館や市立劇場も使っている。さらには毎晩9時半から繁華街の中心の広場での千人単位の無料上映もある。普通の国際映画祭は、プレスか業界のパスを取らないと映画が見られないが、ここは全員が80ユーロか学生なら50ユーロを払えばすべての上映に参加できる。

だから、ヨーロッパ中からコアな映画好きが老いも若きも集まっている感じ。カンヌのようにカードに差別がないから何とも気持ちがいい。有名な評論家も学生も同じ扱いだから。大学単位で学生を引き連れて来ている先生もいるようだ。

そして映画館での上映は、1回だけのチケットも購入可能。そのうえ、今年は国際フィルムアーカイヴ連盟の総会も前半に重なっているので、かなり盛り上がっている感じ。

とにかく4、5カ所で同時に上映をしているので、選ぶのが大変。そのうえ、友人と会ったりしていると時間が過ぎて上映時間を逃してしまう。

別にコンペがあるわけでもないし、どこかに文章を書く予定もないので、別に見逃してもいいかという気になってくる。そのうえとにかく毎日30度の真夏の天気なので、チネテーカの広場の日陰でビールでも飲んでいるのが一番という気分。

上映の多くには解説がつく。それを復元した技術者の話だったり、あるいは監督の息子の話だったり。そのほか講演会も多い。マルコ・ベロッキオやベルトラン・タベルニエのような監督や、ジャン=クロード・カリエールのような脚本家、あるいはジャン・ドゥーシェのような評論家など。

ドゥーシェさんと話したら、彼は毎年来ているとのこと。美しい街で歩くだけで気持ちがいい。観光客が少ない。食事はイタリア一。理由はいろいろらしいが、確かに快適なのは間違いない。街も映画祭も。

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