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2016年7月28日 (木)

ルイ・ヴィトン財団のゲイと家族連れ

ルイ・ヴィトンなどを持つLVMHの総帥、ベルナール・アルノーがブーローニュの森に美術館を作ったのが、2014年の秋。そのニュースを聞いて、行きたいと思った。「ルイ・ヴィトン財団」という名前で、建物の建築はシネマテークと同じフランク・ゲイリー。

それ以上に気になったのが、建物の屋根部分にダニエル・ビュランがカラフルなインスタレーションをしていることや、オラファー・エリアソンの常設展示があることなど。

美術館に行くには、凱旋門近くから専用バスに乗った。20人乗りほどの可愛いバスに乗ったら、座った席の目の前にゲイのカップルがいた。見渡すとほかにもいる。さらに着いて会場に入ると、あちこちにいた。

彼らはまずお洒落。黒や白などのシンプルな色の服を着ていることが多い。そしてかなり短めの半ズボン。何より、手を握ったり肩を触れ合ったりしているからわかる。

それ以外は子供連れが多かった。パンフを見てみると、無料の子供向けのガイドツアーが売り物らしい。家族料金というのもある。家族連れとゲイのカップルというのは不思議な組み合わせだ。

建物の3階と4階の部分を、ダニエル・ビュランの青やオレンジや黄色や赤のストライプが覆う。これはかなり成功している。フランク・ゲーリーの建物に呼応する形で全体に楽しく軽快なリズムを生んでいる。

さらに、地下にあるオラファー・エリアソンの黄色い板を何十枚も張ったインスタレーションもよかった。裏の鏡や池の水と組み合わせて幻想的な空間を作り上げている。さすがエリアソンという感じ。

さらに奥の池の水が川のように常に流れているのも気持ちがよく、何時間でも座っていたい気持ちになった。ここの部分は建物の中に入らなくても外から見えるが、やはり中の居心地は違う。

ところが2階、1階、地上階の中国の現代美術コレクションはつまらなかった。多くを占める映像作品は凡庸だし、いまさらジャン・シャオガンやアイ・ウェイウェイを1点見せられてもしょうがない。ファン・ヨンピンもグラン・パレでの巨大な力作を目にした後では、物足りない。

結局のところ、展示作品よりも建築や恒久的なインスタレーション、あるいはブーローニュの森という環境が良かった。カルティエ財団もそうだが、ブランドの作る美術館なんてそんなものだろう。なぜそこにゲイが集まるのかはわからないけれど。

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