パリで3ヵ月がたって:その(3)
前にフランス人のおしゃべりについて書いたが、それを一番感じるのはカフェではないか。とりわけ午後5時くらいからは、仕事を終えた人々が集まってくる。夏になって、その数が増えてきた。
中には1人で本や新聞を読んでいる人もいる。昔、学生で住んでいた時は、そんな中に加わるのが嬉しかった。よく本を持って時間をつぶした。
ところが、今ではなかなかその気分にならない。時間があれば自宅に帰った方が落ち着く。カンヌ映画祭でもそうだった。プレス向けの上映が終わると、みんなプレスルームやカフェで話し出す。私の場合は1時間もあれば、歩いて15分かかるホテルに戻って、30分過ごして戻った。
もちろん仲の良い記者がいたら話すのは楽しいが、面識があっても日本人だろうがフランス人だろうが特に話すことはない人がたくさんいる。そんな人と無理に話すのは疲れる。
パリでも1人でカフェにいて、周りが盛り上がっているとやはり寂しくなる。唯一1人でカフェやビストロに行くのは、昼ご飯。さすがに夜を1人で食べるのはあんまりにも寂しい感じなので、それは避ける。というか、そういう人はまずいない。
だから夜は会食がなければ自分で作る。幸いにして料理自体は大好きだし、肉も野菜もむしろ日本よりおいしいし安いので、作るのは楽しい。
だからといって、昼も夜も自炊をすると、部屋が料理の匂いで充満してさすがに気が滅入る。そこで昼を外で食べることが多い。だいたい12時過ぎの早めに出かける。フランスの場合、12時前はまず料理は注文も受けてくれない。普通昼食と言えば13時からが多い。
12時過ぎだとまだ客も少ない。料理もすぐに出てくる。そこで主菜を1品とコーヒーを頼んで、12時40分頃にだんだん客が増えた頃に店を出る。
フランスの夕食はだいたい8時から。早寝早起きの私には少し遅い。自宅で作る時は7時半くらいには食べている。これがプラハやヘルシンキでは、夕方6時くらいにレストランで1人で食べている人を見かけた。ドイツでもそうだったと思う。
その意味では、フランスの1人暮らしはきついのかもしれない。そういえば、イタリアでも夜1人で食べている人はいなかった。これがラテン文化なのか。
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